兵庫県三木市は北播磨総合医療センター方面行きバスの見直し計画案を策定し、各地区で住民説明会を始めた。計画案では10路線中3路線の運行を廃止。約半数の路線で減便を図る一方で、神姫バス三木営業所を経由する便は充実させた。運行の見直しは10月から実施する予定という。(篠原拓真)
計画案は、昨年度のバス利用状況などを踏まえて作成した。口吉川町公民館発着の「口吉川・高畑ルート」と、志染町窟屋や山陽自動車道を経由する「緑が丘・青山ルート」、「自由が丘東ルート」の運行を取りやめるとしている。一方、自由が丘中公園と同センターを結ぶ「自由が丘西ルート」と、緑が丘駅まで通る「緑が丘駅・三木南・三木ルート」を青山5丁目まで延伸し、廃止路線の一部地域を補う形となった。
利用実態に合わせて減便や集約化を進め、往路と復路計96便を計56便に減らした。半面、三木営業所を経由するバスは往、復路で計21便増やし、同営業所で乗り継ぎする方式でアクセスを強化。「通院だけではなく、買い物利用にも対応できるようにした」という。
北播磨総合医療センター方面行きのバスは1便当たりの平均利用者が2・4人(19年4月~9月)で、利用者1人当たりの市補助金額は2530円(同)だった。市の担当者は「市民の足として路線を残したいが、乗ってもらうことが維持の前提条件でもある」と打ち明ける。
15日に別所地区の住民を対象に同市福井の市立教育センターであった説明会では、増田秀成都市整備部長が神戸電鉄や他のバスを挙げ、「(医療センター方面行きのバスとともに)他の公共交通も上手に利用してもらいたい」と要望した。住民女性は「三木営業所や三木駅まで行く手段が少ない」と指摘。男性は「複数の交通手段を活用して病院に行く方法や時刻表を市でまとめてくれないか」と求めていた。
