兵庫県三木市のご当地ソングなどを持ち歌にする歌手宮本とし美さん=三木市=が、同市福井の市文化会館で「無観客ワンマンコンサート」を開き、自身が作詞、作曲した叙情歌「三木待ちブルース」や、応援歌「三木げんき節」のほか、昭和の歌謡曲など15曲を収録した。映像は後日、ネット配信するという。
宮本さんは2014年に「三木待ち-」でCDデビュー。「地元の良さを知ってもらいたい」と、四季折々の三木の風景や、神戸電鉄粟生線の特徴を歌詞に盛り込んだ作品で、以降、下町地区の人情を歌詞にした「下町思暮れ」などを生み出してきた。
新型コロナウイルス感染症は、宮本さんの活動にも影響がおよび、出演予定だった地域行事は軒並み中止に。そうした中、文化芸術活動費を補助する文化庁の支援事業を知った。「少しでも歌を届けられたらと。あとは自分を奮い立たせるためにもね」とほほ笑む。
今回のコンサートは観客の代わりに、2台のカメラが着物姿の宮本さんを捉えた。舞台上でスポットライトを浴びながら、持ち歌以外にも美空ひばりの「みだれ髪」や尾崎紀世彦の「さよならをもう一度」も歌い上げた。
映像は、11月中に動画投稿サイトのユーチューブなどで配信し、DVDなども制作予定だ。宮本さんは「活動が再開したとしても、会場に足を運びづらい人もいるはず。そんな時も家で楽しんでもらえれば」と話している。(篠原拓真)
