三木市内に育児ケア施設開設へ 助産師が資金支援募る

2020/12/13 05:30

開設に協力する母親らと古民家の改修作業に取り組む助産師の寺尾直美さん=三木市久留美

 産後ケア施設と親子が集えるカフェの開設に向けて、助産師の寺尾直美さん(40)=兵庫県三木市=がクラウドファンディングで支援を呼び掛けている。自身も融資を受けて、産後に不安を抱える母親らへのケア施設を新設するといい、「安心して子育てできるきっかけになれば。協力をお願いしたい」と話す。(篠原拓真) 関連ニュース 赤ちゃんが泣き止まない…「自分が悪いの?」と涙した退院前夜 “新米ママ”を救った、助産師さんの言葉に広がる共感【漫画】 「命を大切に夢に向かって」助産師が出前授業 赤ちゃん人形の抱っこなど体験 丹波篠山・八上小 助産師に学ぶ命のいとしさ お産に立ち会う喜びや悲しみ伝え 丹波篠山、西脇病院の2人が授業


 神戸市の病院や助産院で勤務してきた寺尾さん。9年前になおみ助産院を開業した。出産施設のない三木市では、近隣市の産婦人科施設で出産して自宅に戻るケースが多く、出張外来や自宅一室で授乳ケアや育児相談に取り組んできた。
 北播磨地域でも助産院はわずかで、病院も集約化で出産に特化せざるを得ない状況という。そのため、産後の不安や育児中のトラブルを気軽に相談できる場所が少ないのが現状だ。新型コロナウイルス感染症の影響も大きく、「妊婦教室に通えず、不安を抱えて育児を始める母親も」と寺尾さん。相談も深刻になっていると打ち明ける。
 こうした状況や助産院を設ける自宅一室では限りがあることから、同市久留美の古民家に産後ケア施設を開くことを決めた。施設では育児指導や沐浴(もくよく)などを実施。赤ちゃんを預かり、母親に隣の部屋で寝てもらうこともできる。併設するカフェは「母親同士の交流に敷居が高いと感じる人もいる。お茶目的で気軽に来られるようにしたい」と話す。
 融資を受けて資金を確保するも足りず、クラウドファンディングでは500万円を目標額とした。期間は28日まで。カフェのドリンク券や産後ケア施設利用券などの返礼を用意する。
 オープンは来年1月18日を予定する。寺尾さんは「安心して子育てができる地域づくりに、少しでも役に立ちたい」と力を込めた。ホームページ(https://camp‐fire.jp/projects/view/349735)

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