版画で「鉄路 四季めぐり番外編」 神鉄粟生線・三木駅

2021/04/18 05:30

作・吉田士郎

 原子力発電所の元技術者で、64歳から独学で木版画を制作する吉田士郎さん(79)=兵庫県小野市=の作品を紹介します。 関連ニュース 傷んだ野球の硬式球、まるで新品に 加古川の障害者事業所、手作業で縫って再生 元プロ選手も称賛「非常に質が高い」 漫画「保健師がきた」、静かな反響 小野在住の埜納さん新作 市職員を取材、住民に寄り添い成長する主人公描く 中国自動車道、社PA下り線の「ラーメン処やしろ」 野菜たっぷり新商品を発売、割引キャンペーンも

 12月の肌寒い昼間。三木駅は静まりかえっていた。友人から「作品にしてみぃひんか」と提案され、促されるままにやって来た。簡素な造りの仮駅舎が、目に入った。
 2018年3月4日。隣接する民家で発生した火災は、同駅の下り駅舎をあっという間に包んだ。歴史ある木造の駅舎は全焼し、しばらくして仮駅舎が建った。
 思い出深い駅だ。技術者時代、よく利用した神鉄。神戸方面から三木駅に到着すると「戻ってきたなぁ」と実感した。帰りが遅くなると、よくこの駅で降り、タクシーに乗り換えた。
 新駅舎は、年内にもお目見えするそうだ。完成したら、また版画を作りたい。住民と私の、復興を祝う気持ちを込めて。(聞き手・杉山雅崇)

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