高まるニーズ「移送ボランティア」 歩行困難な住民に欠かせぬ移動手段 三木
2021/06/17 05:30
リフトカーに乗せてもらう車いす利用者=三木市内
 兵庫県三木市内で車いす利用者や寝たきりの人をリフトカーで送迎する「移送ボランティア」のニーズが高まっている。通院や買い物、市役所への手続きなど日常生活のほか、最近では新型コロナウイルスのワクチン接種会場への送迎で利用されることも。自力での歩行が困難な住民にとって欠かせない移動手段となっている。(長沢伸一)
          
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 「ワクチン接種会場にも行けると聞いた」。6月上旬、ボランティアグループ「さんりんしゃ」(三木市末広1)の送迎支援を受けた女性は明るい表情で語った。夫を亡くし1人暮らしという女性は車いすを使用。週1回ほど、ヘルパーの女性と買い物に出るために同グループの支援を受ける。
 通院などに介護タクシーを利用することもあるが「ワンメーターの距離で片道2500円取られる会社もある」という。一方、三木市社会福祉協議会が事務局を務める、四つの移送ボランティアを活用すると、市の補助もあって料金は無料だ。
 三木▽別所▽志染▽自由が丘▽三木南▽青山-の6地区で移送ボランティアを担う「さんりんしゃ」では、今年3月の利用回数が60回に上り、前年同月比で2倍以上となった。市社協は、コロナ禍で外出を控える傾向の中で「薬の処方などで必要不可欠な通院のために利用する人が増えたのではないか」と推察する。
 一方、ボランティアグループの人員不足は深刻で、最盛期に約25人いたメンバーは高齢化で半数以下に減少。利用者の希望日に送迎できないということも生じている。会長の森永勝正さん(83)は「(少子高齢化が進む市内では)今後、足腰が弱っていく人が増える。高齢者の社会生活を支えるためにも、60代を中心に一人でも多くの人に手伝ってもらいたい」と話している。
 問い合わせはボランタリー活動プラザみきTEL0794・83・0090