火災で全焼の三木駅、再建費7千万円増え2億円に 完成も来春にずれ込み

2021/06/23 05:30

ホームに電車が入る神戸電鉄三木駅=三木市末広1

 兵庫県三木市は22日、再建を進める神戸電鉄粟生線三木駅の駅舎建設費が、当初から約6800万円増の1億9836万円になると発表した。施工条件の見直しなどで追加費用が発生し、神鉄負担増加分を除いた市の負担額は、約6400万円増となった。再建スケジュールにも影響し、当初年内とされていた駅舎完成は来年3月ごろにずれ込む見通し。(篠原拓真) 関連ニュース 駅舎焼失の神鉄三木駅 新駅舎のデザイン決まる 【写真】デザイン候補として示された三つの外観案 神鉄フラワータウン駅前に商業施設 春開業へ

 神鉄三木駅は2018年3月4日、隣接する木造2階建て民家で発生した火災で、下り駅舎が全焼した。市名を冠した駅の再建に向け、火災後は市や神鉄、県による「三木駅再生検討協議会」が発足。市内外から寄付金やふるさと納税などで約1億3900万円(20年末時点)が集まり、市は21年度一般会計予算で駅舎建設費1億3千万円を計上していたが、神鉄側の見積もりで、予算額を上回る金額になったという。
 市と神鉄は工事内容や工事費について見直し、最終的に費用は1億9836万円となった。市は工事費増額の理由について、営業路線近接工事にかかる工事責任者や列車監視員の配置、駅舎建設による改札と水路の移設などが「必要と新たに判明した」とした。
 再建スケジュールにも影響し、5月ごろに予定していた着工に遅れが生じており、7月開始予定となった。駅舎の完成と供用開始は2022年3月となる見込み。
 市は市議会6月定例会に事業費約4千万円を追加計上した補正予算案を提出する。負担増額分は三木駅再生への寄付金と市債を充て、市は補正予算案可決後に委託契約締結に移る方針。市交通政策課は「追加した予算を上限に再建を進めていきたい」としている。

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