直接会って感謝伝えたい… 池に転落、救出後にタオルで体温めてくれた恩人捜す

2021/10/07 05:30

池に転落した当時の服装で状況を説明する山南京子さん=三木市

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 今年2月に兵庫県立三木山森林公園(三木市福井)の池に転落した74歳の女性が、救出後に凍える体をさすってくれた男女を捜している。事故後1カ月ほど同公園に通い、地元ラジオ局でも呼び掛けるなどしたが、いまだに見つからない。夫の入院で最近は同公園に行くこともできなくなってしまい、女性は「なんとか見つけ出して感謝の気持ちを伝えたい」と呼び掛ける。(篠原拓真)

 情報提供を求めているのは、三木市の山南京子さん(74)。山南さんは今年2月7日、夫と同公園を散歩していたところ、池のそばで足を滑らせて転落した。
 池は浅瀬から急激に深くなる形状だったといい、山南さんは水中でもがき、浮かんでは沈むを繰り返した。池の端から体が流れかけたが、近くにあった岩をつかみ、通りがかった人たちに救出してもらったという。
 当時の三木市内の気温は約10度。泥まみれで衣服がずぶぬれとなった山南さんは寒さに襲われた。体を震わせていると、見知らぬ男女が自分たちのタオルで体を温めてくれた。「倒れている状態の私を男の人と女の人が長いことタオルでさすってくれた」。その後、救急車が到着。山南さんはそのまま自宅に戻り、2人の連絡先を尋ねることはできなかった。
 事故後、転落時刻と同じ時間帯に同公園内を歩き、池の近くに人捜しの掲示もしてもらった。コミュニティーFM局「エフエムみっきぃ」でも呼び掛けてもらったが、有力な情報は寄せられず半年以上が過ぎた。
 泥だらけだったタオルはきれいに洗濯し、いつでも返すことができるよう、ビニール袋に入れて保管している。山南さんは「あの時は本当に死ぬかと思った。2人は命の恩人。直接お会いして感謝の気持ちを伝えたいんです」と再会を切望している。
 情報提供は神戸新聞三木支局(TEL0794・82・0379)へ。

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