期日前投票者数は好調だが…投票率は伸び悩みか コロナ禍で分散の可能性

2021/10/30 13:30

列をつくって期日前投票を待つ有権者=西脇市下戸田、市民交流施設「オリナス」

 31日投開票の衆院選に向け、兵庫県北播磨地域の各市町選挙管理委員会が投票率の伸び悩みを懸念している。兵庫4区(神戸市西区と北播磨5市1町)の期日前投票者数は28日までに6万2791人に上り、前回同時期の約1・2倍となっているが、新型コロナウイルス感染対策による分散投票が要因の一つとみられる。選挙区内の各選管は「投票が前倒しされ、結果的に投票率は上がらないのではないか」と気をもむ。 関連ニュース 兵庫県知事選、期日前投票済ませた女性に誤って投票用紙渡す 神戸市北区選管 県知事選の投票率どうなる? 異例ずくめの選挙戦、期日前は過去最多 17日投開票 兵庫県知事選、期日前投票33万人超 前回の1.5倍 過去最多7人立候補で関心高まったか

 兵庫4区の投票率は2009年の65・96%をピークに下落が続き、前々回(14年)49・80%、前回(17年)49・64%といずれも5割を下回っている。
 28日までの期日前投票は、加西市で7365人を数え、選挙人名簿登録者の約2割を占めるなど、ほとんどの自治体で前回を上回るペースで推移。ただ、加西市選管は「(過去の選挙でも)投票者数の約半数は期日前投票」とし、制度は既に有権者に浸透しているのが現状だ。
 期日前の出足が投票率向上につながるかは不透明で、小野市選管は「7月の県知事選でも期日前投票者が増えたが、当日投票者数が減って投票率は下がった」とする。
 今回はコロナ下に加え、衆院解散後の準備期間が短く、各選管は街頭での啓発活動がほとんどできなかったという。ある自治体の担当者は「あとは一人でも投票に行ってもらえるように祈るしかない」と話している。(篠原拓真)

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