竹灯籠に命を守る思い込め 「阪神・淡路」追悼式典で使用、吉川中生徒が文字入れ
2021/12/25 05:30
「つながれ 笑顔 満開の花」と竹灯籠に思いを込める生徒=吉川中学校
来年1月17日の阪神・淡路大震災追悼式典で使用する竹灯籠制作が23日、兵庫県三木市吉川町大沢の吉川中学校であった。流通科学大(神戸市西区)参与の又吉健二さん(65)による防災学習「つなぐいのち」の一環。生徒らは災害や復興支援について学ぶとともに、竹灯籠180本に被災者や災害復興への思いを託した。(篠原拓真)
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三木市では、市民団体「神戸・心絆(ここな)」(同市志染町広野)が阪神・淡路や東日本大震災の追悼行事を企画し、竹灯籠を前に祈りをささげてきた。今年3月の東日本大震災追悼式典では、市内の小中高と特別支援学校計7校の生徒らがメッセージを記した竹灯籠も並び、又吉さんは各校で災害支援ボランティアの経験などを語っている。
吉川中での防災学習では、阪神・淡路や東日本大震災を映像で紹介。阪神・淡路の際に教員だった又吉さんは、応援で出向いた学校から2日で帰宅した経験を明かし「何もできなかったという思いがずっとあり、今も活動を続けている」と話した。
市内中学生と赴いた災害支援ボランティアでの体験や、神戸市の中学生が支援活動に取り組む姿も披露し、東日本大震災を語り継ぐ人たちの思いも伝えた。
竹灯籠づくりでは、又吉さんが「友達とも思いを共有して」と助言し、生徒らは「祈り」「希望」「仲間」などと文字を入れた。3年生の男子生徒(14)は「希望の光と力強く前に進んでほしいという意味を込めた」と、「光」「頑」の2文字をしたためた。
又吉さんは「尊い命が失われるのを防ぎたいというのが基本。命について考えるきっかけになれば」と話した。