ありがとう、さようなら星陽中学校 53年の歴史に幕、思い込めた風船青空へ
2022/02/28 05:30
校舎を背に一斉に空に舞い上がる風船=星陽中学校
少子化による学校再編で53年の歴史に幕を下ろす星陽中学校(兵庫県三木市細川町豊地)の閉校記念式典が27日開かれた。在校生や保護者、地域住民らが、学びやへの感謝と新たな旅立ちへの思いを込めて、青空に風船を飛ばした。(長沢伸一)
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同校は1969(昭和44)年に細川中と口吉川中が統合して誕生。校名は近世の儒学者藤原惺窩(せいか)にちなんで「星陽」となった。卒業生は2021年度を含め3170人。学校再編で三木中に統合され、21年度限りで閉校となる。
体育館で開かれた閉校式には約140人が出席。リモートで配信し、教室から地域住民約10人が見守った。新型コロナウイルス感染症対策で、予定していた校内ウオークラリーは中止。国歌や校歌は声を出さずに心の中で歌い、全校合唱も事前の映像を流した。
自身も約40年前に同校を卒業した計倉哲也校長は「卒業生の一人として寂しい。53年間育んできた校風は失われることはなく、全ての人の心に生き続けていく」と式辞を述べた。生徒を代表して生徒会長の常深愛依梨さん(2年)は「星陽中で学んだ努力の大切さを忘れることなく、来年は新生三木中の3年生として、一つ一つの行事や毎日を大切にしていきたい」と力を込めた。
式後には、ウオークラリーで行う予定だった星陽中に関するクイズを実施。「校訓」「閉校記念横断幕の言葉」など10問が出題され、在校生も保護者も盛り上がった。
続いてグラウンドに移動。「星陽中学校、明日へ」の合図とともに、約300個の風船が空に舞い上がり、出席者は行方を名残惜しそうに見つめていた。
男子生徒(3年)は「昨年10月に長崎に行った修学旅行が一番の思い出。(学校の規模が)小さいからこそ、絆が深まった。高校でも新しい友人と星陽中の思い出を共有したい」と話していた。