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西脇TMOの室長を来春で退く岸正博さん=西脇市西脇
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西脇TMOの室長を来春で退く岸正博さん=西脇市西脇

■まちづくり団体「西脇TMO」室長・岸正博さん(75)

 兵庫県西脇市の観光スポットとして知られる国登録有形文化財「旧来住家住宅」(同市西脇)。大正時代に建てられた同住宅を管理するまちづくり団体「西脇TMO」の室長を務めて17年になる。事務所2階にある「定位置」のデスクには、年齢や職業を問わず多くの人が相談ごとを抱えて訪れる。

 「『コイの餌だけやっててくれ』と言われて(室長を)引き受けたんや。でも、じっとしているのは苦手やさかい」

 生粋の西脇人。同市黒田庄町の和菓子店で、5人きょうだいの末っ子として生まれた。高校卒業後は市内の金融機関に就職し、市内を原付きバイクで駆け回って集金した。西脇支店長まで務めたが、50歳の頃に退職。西脇商工会議所で働いていた2005年、立ち上げから間もない西脇TMOの室長を引き受けた。

 就任当時、観光名所とは言いながらも「立派な家」に過ぎなかった旧来住家住宅。人を呼び込もうと、室内を展示スペースとして市民に開放した。

 さらに、同住宅を中心とした半径100メートルのエリアで回遊性を高めようと、のこぎり屋根の建物を再生した「播州織工房館」の設立に尽力。完成当初は最終製品を販売する意識が播州織メーカーに乏しく、「近所のおばちゃんが作ったかばんやアクセサリー」を売っていたという。

 当然、販売単価は上がらず、経営は苦しかった。県からの補助金はあったが、「このままではつぶれる」という重圧を常に感じていた。現在、50社以上が競い合うように商品を開発し、売り場を埋める姿には隔世の感があるという。

 「まちづくりに休日なし」

 そう自分に言い聞かせ、四季折々のイベントを企画し、ほとんど休みなしで走り続けてきた。「残業代や休日手当てが出るわけでないのに、ようやったわ」。75歳になり、地域への恩返しにも体力の限界が訪れ、来年3月で室長を退く意向という。

 幼稚園児が来ても、外国人が来ても、最高のもてなしを提供してきた自負がある。「電話一本で手伝いに来てくれる人が大勢いる。17年間、本当にいろいろな人に助けてもらった」(伊田雄馬)

【記者の一言】 「典型的な播磨のおっさん」。親しみを込めて、そう呼ばせてもらおう。酒と女性をこよなく愛しつつ、それ以上の情熱を仕事に傾けてきた。街を回転させる車軸として長年働き、体中がきしみをあげているのだろう。「本当にお疲れさまでした」。少し気が早いが、市民を代表し、そう伝えたい。(馬)

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