「3億4500万円の入金完了」とメール 不審に感じた金融機関職員、交番へ

2022/07/30 05:30

詐欺被害を防ぎ、署長感謝状を受け取るJA兵庫みらい緑が丘支店の小西久美子店長=三木署

 架空請求詐欺被害を防止したとして、兵庫県警三木署はJA兵庫みらい緑が丘支店(兵庫県三木市緑が丘町東2)に署長感謝状を贈った。 関連ニュース 怪しい声とメモにピン…ATM入金寸前で待った! 電話口の男も舌打ち、詐欺被害防いだ「お節介」 「50億円当選」詐欺と納得せぬ男性、警官と説得続け入金防ぐ 信金係長、2度目のお手柄 「1億円が当たる宝くじ」120万円で購入したら、送られてきたのは

 同署などによると、6月6日午前11時半ごろ、市内の男性(66)が来店。職員に携帯電話の画面を見せて「3億4500万円の入金が完了しているが、重複送金となり出金できない。記録を一時削除するために2万円を用意してほしいとメールが来た」と説明した。
 不審に思った職員が、岡本裕文次長(48)に相談。岡本次長は男性の事情を聴き「詐欺案件が増えている。三木署からもおかしいと思ったら交番に、と連絡を受けている」と説得し、男性とともに近くの交番を訪れて被害を防いだ。
 特殊詐欺の予兆となるアポ電があった際に、同署はその地域内の金融機関に警戒を依頼。同支店では、同署から連絡を受ける度に、全職員と情報を共有し、意識を高めていた。
 22日、支店を代表して感謝状を受け取った小西久美子店長(53)は「お一人お一人の大事なお金を金融機関として守りたい。心を引き締めて未然防止に努めたい」と話した。(長沢伸一)

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