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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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震災で信徒ら支援に奔走、ボランティア拠点に 神戸バプテスト教会 2020/08/18

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神戸バプテスト教会

 北野坂を上って、異人館通りへ。鐘楼のある屋根に白い壁。シンプルで明るいコロニアル様式の建物が、神戸バプテスト教会(神戸市中央区山本通1)だ。

 隣の公園には「小磯良平画伯元アトリエ跡」の案内板。神戸を代表する洋画家は1932(昭和7)年、周辺約1300坪の土地にアトリエを構えた。祝日の朝は窓から「ナチスの旗、インドの糸車旗、フランスの三色旗」に、一時はソ連の赤旗もひらめくのが見えたという。

 みなとの祭のポスター画「洋和服の二人」も描いたアトリエは、邸宅もろとも45年6月の大空襲で焼失。プロテスタント系の教派、米国・南部バプテスト連盟の宣教師が50年に来神し、52年に会堂を建てたのが、クリスチャンだった小磯の邸宅跡だった。

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修復された礼拝堂=神戸市中央区山本通1

   ◇   ◇

 阪神・淡路大震災に耐えた会堂は、ボランティアの拠点となった。日本バプテスト連盟が現地支援センターを設置。活動を仮設住宅や路上で暮らす人らの支援に絞り、信徒が奔走した。カトリックとも共同し、緊急支援は恒常的な路上生活者支援に発展した。

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洗礼(バプテスマ)として、全身を水に浸す「浸礼」を行うバプテストリー

 助け合いの精神の根底にあるのは、個性の尊重と話し合いを大切にする、教会の民主的な考え方だ。

 「牧師の考えが絶対に正しいとは限りません。他者と交わった上で、自分の信仰を持つことを大事にしています」と、西脇慎一牧師(39)は話す。

 震災で被災した礼拝堂は補修され、今も信徒を迎えている。1月17日には毎年、多くの信徒たちが震災の犠牲者に対して黙とうをささげる。そこに、宗派の違いはない。

 「どんな宗教も、平和をつくるために祈りをささげているのは変わりません。神戸では互いの考えを知った上で他者を認めている。世界に発信できる良さだと思います」(杉山雅崇)