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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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薫る街 パビリオン母体にテーマはコーヒー、国内唯一の博物館 2020/11/13

 神戸・ポートアイランドにある、モスク風の建物。これぞコーヒーに特化した国内唯一の博物館、その名も「UCCコーヒー博物館」(神戸市中央区港島中町6)だ。

 UCCホールディングスが1987年、「コーヒーの魅力を発信したい」と、コーヒーの日(10月1日)に開設。母体となったのは81年の神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア’81)のパビリオンで、コーヒーカップの形をしていた。

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ポートピア’81でのパビリオン。上空からは、コーヒーがなみなみと入っているように見えたという(UCCコーヒー博物館提供)

 「モスクをイメージしたのは、コーヒーがイスラム教と縁が深いからです」と栄秀文館長(58)。コーヒーは、飲酒が禁じられているイスラム教徒の間で愛好され、世界に広まったとされている。

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モスクをモチーフにしたUCCコーヒー博物館=神戸市中央区港島中町6

 同館ではコーヒーの起源から、栽培▽鑑定▽焙煎(ばいせん)▽抽出▽文化-の各コーナーで魅力を紹介。栽培コーナーでは、ブラジルの農園の風景が壁一面に広がり、床は赤土の色に、BGMには現地で録音された農家の話し声や自然の音が使われている。鑑定コーナーでは、焙煎前の生豆を触ることができるなど遊び心満載だ。

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コーヒー豆を詰めた袋の重さを体感できる展示=神戸市中央区港島中町6

 栄館長は「味だけでなく楽しさや期待感など、コーヒーの魔力が存分に感じられる施設になっている」と胸を張る。昨年の来館者数は、過去最多の約7万5千人。うち1割が海外からの観光客だったという。

 コーヒー愛はとどまることなく、2007年には、「コーヒーアカデミー」を開校。コーヒーを入れる技術や知識をレベルに応じて学べる。「コーヒープロフェッショナル」の認定資格者は約600人に上り、カフェなどで活躍する。

 アカデミー学長でもある栄館長は「コーヒーを通じたコミュニケーションの幅は計り知れず、世界に発信していきたい」と話す。

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 同館は、新型コロナウイルス感染防止のため12月末まで休館中。アカデミーはオンラインなどで開催している。同アカデミーTEL078・302・8288

(小谷千穂)=おわり=