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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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岡本商店街の名店探し(1)食材は淡路産にこだわり 奈良出身「マンキ」店主 2019/02/16

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 人は岡本(神戸市東灘区)を石畳のまちと呼ぶ。どのくらい石畳が敷き詰められているのか? 調べてみると…。桜御影石でできた厚さ10センチの石畳が何と7550平方メートルにわたって広がっていた。岡本坂、ゲート坂、キャンパス通り、フェスティバル通りの4本の目抜き通りを中心に、281店が軒を連ねる岡本商店街。その加盟店数が「市内最多」と聞いて、これまた驚いた。普通に歩いてもおもしろくない。目抜き通りから奥まった路地や目立ちにくいビルの上階、地下の名店を見つけてみよう。名付けて「岡本めぐりウエ・シタ・ヨコ」。同商店街のアイドル「石だたみボーイズ」のメンバー8人のナビゲートで、個性豊かな店主たちに話を聞いた。(真鍋 愛)

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 店名やメニューに踊る「淡路」の文字。当然、客からは「マスター、淡路出身?」と聞かれるが、その度、店主の今井万喜さん(35)は苦笑して答える。「すみません、奈良出身です」

 神戸に憧れ、高校卒業後の進路に元町の調理師専門学校を選んだ。大学進学を望む両親の意向をくみ、甲南大学を記念受験。その際、初めて岡本を訪れ、カフェやブティックが並ぶ石畳の通りや、行き交う人たちの粋でスマートな装いにくぎ付けになった。

 専門学校卒業後、就職も神戸で、と思いきや、選んだのは大阪のフレンチレストラン。学生として通ううち、憧れの地の印象は「おしゃれすぎて肌に合わないまち」になっていた。

 約10年修業を積んだ後、独立を決めた。店の個性を出すため、食材は野菜の味が濃いと感じた淡路産にこだわった。ニックネームの「マンキ」を冠して6年前に出店した地は、一度「合わない」と背を向けた神戸。何の縁か、希望ぴったりの物件が岡本にあった。

 開店から数年後、岡本商店街振興組合の親睦会に誘われた。同会で「石だたみボーイズ」結成が発表され、出席者は次々に加入を宣言。つられて手を挙げると、なぜか周囲の推薦を受け、リーダーに任命された。

 歌やダンスは苦手。先頭に立つタイプでもないが、「岡本が盛り上がるなら」とイベントなどではリーダーとして積極的に発言する。直近の目標は、子ども向けの料理教室を開くこと。「親子連れが岡本で楽しめる仕掛け作りを進めたい」