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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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走行中に突然曇る窓ガラス 六甲ライナーの謎に迫る 2019/02/03

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 住吉川流域を紹介する「東灘マンスリー 甲南山河」。まちを取材していると、ふと気になる光景に出くわすことがある。その背景を探ると「えっ!」という理由や歴史が隠されている。今回は地元ではおなじみの六甲ライナーの不思議からひもとこう。

 神戸市東灘区でJR住吉駅と六甲アイランドとを結び、通勤客らの足となっている「六甲ライナー」。住吉駅から六甲アイランド方面へ走行中、突然、窓ガラスが曇った。手でぬぐっても消えず、外気温との差で曇ったわけではなさそうだ。しかも、曇るのは車両西側の窓ガラスだけ。一体なぜ、こんな仕様なのか。

 六甲ライナーは1990年に開業した。現在は1日平均約3万6400人が利用する。

 この窓ガラスの正体は、日本板硝子(東京都)が開発した特殊ガラス。2枚のガラスの間にある液晶シートに電気を通すと、分子が光を通して透明に、電気を切ると分子が不規則になって曇る。瞬時に透明と不透明とを切り替えることができるという。

 導入のきっかけは、地域住民からの要望だった。住吉-南魚崎間では、約10メートルの高さを車両が走行し、近くに立つマンションや民家の室内が丸見えになる。プライバシーの保護を切望する沿線住民の声に応えて、93年に導入した。

 曇る区間は上下線で異なる。上りは魚崎-住吉間の600メートルと南魚崎-魚崎間の460メートル。下りは住吉-魚崎間の500メートルと魚崎-南魚崎間の260メートル。昨年から運行している新車両3000系にも引き続き使用されている。(長沢伸一)