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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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スーパー激戦区で主婦らに評判 個人経営の「フレッシュフード・モーリ」 2019/03/01

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 阪急オアシス、ダイエー、ライフ…。JR摂津本山駅(神戸市東灘区)南東約1キロ圏内は、大手スーパーがしのぎを削る。このエリアに住む同僚に聞いてみた。「どこがお薦め?」 返ってきたのは「フレッシュフード・モーリ」(東灘区田中町1)。「個人スーパーやけど、品ぞろえが抜群」と続ける。折り込み広告は出しておらず、ホームページの立ち上げもごく最近になってから。お店をのぞくと、店内には客、客、客…。この激戦区で奮闘する株式会社モーリの松本龍二郎社長(65)を訪ねた。(吉田みなみ)

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 2月初旬。昼下がりというのに約50坪の店内は、買い物客であふれていた。鮮魚コーナーでタチウオや伊勢エビが1匹丸々パックに入って売られていたり、青果コーナーではイチゴだけでも「あまおう」や「さちのか」など4種類が並んでいたり。精肉コーナーには国内産しか並んでいない。

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 「どんなに安く土地や家を買っても、大災害の前ではひとたまりもない。食べ物も同じで安さだけを求めず、食べた人が心身ともに満足できるものを提供したい」。こう話す松本社長。その思いは24年前の阪神・淡路大震災にあった。

 同店は義父母が1977年に創業。しかし、震災で店が入るビルが倒壊した。経営を引き継いだ松本さんは、商品の質と豊富な品ぞろえで勝負する方針に転換。仕入れ先を神戸から大阪市内に変えたり、旬の食材や国産肉などにこだわったり、産地表記を都道府県まで細かく表記したりした。

 このこだわりが、主婦層などに口コミで広がり、売り上げは震災前の約2倍に。週2回ほど通うという主婦(79)は「品数も多いし、ムカゴやツボミナなど珍しい野菜も置いているので、何があるのかなと来るたびわくわくする」。近くの主婦(40)は「以前肉料理を食卓に出したら、夫や子どもに『モーリで買った?』と聞かれたことがあるほど、肉がやわらかくておいしい。幼稚園のママ友達からも評判だった」と話した。

 消費者(買い物客)に寄り添った戦略が、地域住民にとけ込んでいる。激戦区で生き抜く術を学んだ。