People People

M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

Kobe
People People People

対面販売での説明が好評 神戸・東灘の野菜直売店 2019/03/02

記事

 神戸市東灘区岡本から天上川沿いを南へ。国道2号を西に向かうと兜のデザインのアーケードが現れた。東灘区で唯一のアーケードがある甲南本通商店街だ。JR住吉と摂津本山駅の中間付近で、阪神電鉄の駅からも近くない。なぜこの立地にアーケード付き商店街? 南北約200メートルに約50店舗が並ぶ同商店街を訪ねた。(吉田みなみ)

 何やら空き地に人だかりが。子ども連れの母親や主婦らが集まっている。店頭には、ホウレン草やネギなど見慣れた野菜のほか、柿のような甘さのある「黄ニンジン」や、小さな果実と甘さが特徴のダイコン「おむすびッシュ大根」など見た目や味が珍しいものも。

記事

 出店しているのは「協同出荷組合 神戸グリーンキャッチ」。兵庫楽農生活センター(西区)で作物栽培を学んだ笹山大代表(43)が創業した。

 同センターの卒業生を中心に西区や北区、三木市、淡路市などに住む新規就農者ら約40人が育てた減農薬野菜や果物を販売している。「この地域は子どもが多く、安心で安全なものを食べさせたい親御さんが多い。需要と供給が一致したんちゃうかな」と笹山さん。

 販売方法もヒットの要因だ。責任者の西松由香里さん(39)が「このセロリは生で食べるとおいしいんよ」「このダイコンは水分が少ないのが特徴で…」と客を呼び込み、直接調理法や保存方法などを伝授する。

 近くの無職女性(63)は「対面販売なので調理法や保存方法をその場で教えてもらえる。お話するのが楽しくて、毎日通っている」と笑顔。西松さんは「ここが地域のコミュニケーションをつなぐ場になればうれしい」と話す。

     □

 「阪神・淡路大震災前まで二つの市場(甲南市場、新甲南市場)があってねえ」。同商店街振興組合の速見哲理事長(62)は振り返る。新甲南市場は、現在、スーパー「食彩館」に姿を変え、市場の人々が中心に運営を手掛ける。

 「映画館が3軒営業していた時代も」と続ける速見さんに冒頭の疑問を尋ねてみた。

 「鉄道の駅から離れすぎていませんか」

 「今はバスしか走っていないけど、2号線を路面電車が走っていて、停留所があった」と速見さん。

 「なるほど、昔は駅前だったんですね」