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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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神戸大学白鴎寮はシェアハウス? 4人一室の今昔に迫る 2019/03/24

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 2001年に大改修された神戸大学白鴎寮(神戸市東灘区本山南町1)。五つある居住棟の4人一室という部屋割りは変わらなかったが、入寮者一人一人にトイレ付きの個室ができた。リビング、キッチン、お風呂は共用で、まるでシェアハウスの様相だ。(西竹唯太朗)

 ナビゲート役の同寮自治会の副会長木田章太さん(22)=海事科学部3年=の部屋を拝見させてもらった。同じ学部の3人と入居。共用部分のリビングにはこたつやゲーム機が置かれ、楽しげな雰囲気が伝わってくる。

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 奈良県出身で、入学前は寮での上下関係などに恐れを抱いていたというが、「ルームメイトに恵まれ、毎日遊んだり、就活の相談をしたり。寮での生活ほど楽しいものはない」と話す。

 続いて同寮自治会長の雑賀太一さん(21)=法学部3年=の個室へ。小ぎれいに整理整頓されている。本棚には「刑事訴訟法」などの本が並び、いかにも法学部の学生の部屋だ。一方、共用部のリビングはほとんど何も置かれておらず殺風景。「同じルームメイトでもいろいろある。プライバシーを重視する学生も多いですから」

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 03年に神戸大学に統合され、同大海事科学部となった神戸商船大学。深江キャンパスの正面を入ってすぐ右の講堂1階にある「海事博物館」(同区深江南町5)を訪ねた。

 江戸時代後半に日本沿岸、瀬戸内海で活躍した北前船や樽廻船などの和船やエンジンの模型のほか、船大工の板図、海路図屏風など、船、海にまつわる約4万点が保管されているという。

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 解説してくれたボランティアスタッフの男性2人が商船大の卒業生というので尋ねてみた。

 「白鴎寮の元寮生ですか」

 「もちろん。いまだに寮歌も歌える」と柴田康彦さん(80)、吉川道雄さん(71)が口をそろえる。2人を含め、同館に6人在籍するボランティアスタッフ全員が同大OBで、卒寮生という。「当時は全寮制だったから」としみじみ。その後も、「昔も4人一組の部屋だったが、個室はなかった」「食堂では、食事時間に遅れれば、ほかの学生に食べられてしまうため、1年生が食事の確保をしていた」と思い出話があふれ出す。

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 白鴎寮が縁で、卒業から半世紀近くたっても友人関係を続ける2人。「この学校が青春時代の全てだった。だからボランティアで戻って来ている。今の寮生もこうして戻って来てほしい」