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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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東灘の「えっ!」稼働しない天文台、一体何のため? 2019/03/25

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 まちで見聞きした不思議な光景を取材し、その理由や歴史を紹介する「東灘マンスリー 甲南山河」の「えっ!」シリーズ。今回は高橋川周辺で発見した長年使われていない天文台の秘密を解き明かす。

 神戸大学海事科学部の建物屋上にある天文台は長年使われていない-と聞き、同大深江キャンパスに向かった。遠目で見ると立派に思えるが、本当に動かないのか調べてみた。

 天文台は2号館西棟の屋上にある。学生に聞いてみると「授業では使ったことがない」という。30年以上前から教壇に立つ内田誠・海事科学研究科長(60)を訪ねると、「天文台が稼働した事実は知らない」ときっぱり。その上で「あくまで伝え聞いた話」と断りながら、話をしてくれた。

 航海では星の位置を確認するため「その方法を受け継ぐべく、設置されたのでは」と説明。しかし、阪神高速やビル群が建ち並ぶようになり、天体観測に適さない場所になったという。

 2012年に建物を耐震化したとき撤去案もあったが、存続を願う声も多く残された。「大きさも色も光ることも、シンボルとして目立ちますからね」と内田さん。帰り道の阪神高速から、ちょうど同じ高さに銀色に光る半円の物体が確かに見えた。(西竹唯太朗)