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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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神戸随一の歓楽街だった新開地 「ごった煮かいわい」の魅力探る 2020/02/06

記事

 喜劇王チャップリンをかたどったシンボルゲート「BIG MAN」を南の入り口に、北へ約800メートルの湊川公園まで続く新開地商店街。街歩きの途中、老舗の洋食店「グリル一平 新開地本店」でミックスフライ定食を食べた。

 「あら、久しぶり! 最近見んかったやんか」

 働き回る店員が常連客らしい男性に話し掛け、男性も気安く応じる。

 街には肩が触れ合うほど狭い立ち飲み屋や、店外まで歌声が漏れるカラオケ喫茶も多い。人と人の距離の近さ、心地よさが肩肘張らない「ごった煮かいわい」の魅力だ。

 阪神・淡路大震災では大きな被害を受けた。芸術の力で街を活気づけようと1996年、文化の創造・発信拠点「神戸アートビレッジセンター」が誕生。2018年に完成した上方落語の定席「喜楽館」が新たな色彩を加える。

 一方、昭和の香り漂う「ミナエンタウン」や、隠れ家のようなお店が点在する聚楽横丁も独特の存在感を放っている。

 古くは「西の帝劇」と称された演劇場「聚楽館」がそびえ、神戸随一の歓楽街だった新開地。往時の面影を探すのは難しいが、それでもこの街を愛し、通う人たちがいる。

 それでは今日から「新開地かいわい」を始めたい。(伊田雄馬)