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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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神戸にもあったグリコの看板 新開地の“まちある”紹介 2020/02/08

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 「新開地(神戸市兵庫区)は『まちある』ネタが、いっぱいあるでしょう」。兵庫・新開地の名所や名店を案内してくれたまちづくりコーディネーターの西島陽子さん(46)が取材中、ぽつりとつぶやいた。「まちある」とは神戸新聞地域版で30年以上続く名物コーナー「まちをあるけば」の愛称。本音を言えば話題探しで苦労することもあるが、どうやら新開地はネタの宝庫らしい。今回は、西島さんおすすめの「まちあるスポット」を紹介する。(久保田麻依子)

 ◆巨人が座る?

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 競艇の場外舟券売場・ボートピア神戸新開地(兵庫区新開地4)の施設前面には、高さ数メートルもの巨大な椅子とテーブルがそびえ立つ。「ガリバーの椅子」と名付けられたオブジェだ。

 この椅子はボートピアが開業した1999年、事業主と地元のまちづくり団体が協議し、アート性を重視した外観をねらいに設置した。座面にはステンドグラスが施されており、華やかさを印象づける。

 ただ、椅子の足元には多くの自転車が止まっているため、西島さんは「ちょっと離れてみないと気付かないですね」と笑う。

 ◆外観もアミューズメント

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 新開地商店街にあるアミューズメント施設「ラウンドワン新開地店」(同区新開地2)。多彩な色を用いた独特な外観に、実は“隠し文字”が施されているのをご存じだろうか。

 この土地には、「西の帝国劇場」と称された演芸場・聚楽館(1913年建設)があり、後に映画館やスケートリンクなどとして親しまれた。2001年に同店が開業する際、ビルを所有する不動産会社が「新開地にふさわしいビルになるように」との思いから、聚楽館をイメージさせるデザインにしたという。外観に目をこらすと、アルファベットの「SHURAKUKAN」「KOBE」などが横並びに浮かび上がる。ただし、根気強さが必要だ。

 ビル裏側の路地には、昭和初期に松竹が敷地を取得した際に埋め込んだとされる「境界石」が数カ所、現存する。【道-松竹】と表記されているが、鮮明に見えるのは1カ所。ぜひ探してほしい。

 ◆神戸にもグリコの看板

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 湊川公園から新開地商店街を眺めると、古びた鉄塔がアーケードから顔をのぞかせる。かつてこの鉄塔には、誰もが知るネオン看板「グリコサイン」があったそうだ。

 グリコの看板といえば、ランニング姿の青年(?)が万歳する大阪・道頓堀のシンボル。江崎グリコ(大阪市)によると、グリコサインは、東京・浅草や大阪駅前など全国に最大20カ所以上設置され、新開地は道頓堀より以前の昭和初期(1931~32年ごろ)に置かれたといい、古い写真にもはっきりと写っている。

 「残念ながら、グリコの存在を知っている人はほとんどいなくなってしまった」(西島さん)というが、さびた鉄塔こそが、その存在感を物語ってくれているに違いない。

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