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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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音楽好きが日夜弾き語り ミナエンの「MILKY SOUND」 2020/02/21

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 新開地(神戸市兵庫区)のレトロ商業ビル「ミナエンタウン」。スナックやカラオケ喫茶が目立つが、大小約10軒ものライブハウスが入る「音楽のビル」でもある。音楽好きたちが日夜、弾き語りやジャムセッションを楽しんでいる地下1階の「MILKY SOUND」を訪ねた。

 淡いブルーのドアをくぐると、バーカウンターとステージがあった。営業するのはマスター木下明弘さん(59)と妻百合子さんだ。

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 明弘さんは大阪出身で、約15年前に新開地に引っ越してきた。ミナエンに出入りするようになったのは5年前。「子どもの頃から住んでいたら、ここに近づいていなかったと思います」と笑う。店は昨年5月、閉店したライブハウスを居抜きで借りて始めたという。

 「きっちりと音楽をやりたいんです。腕のあるプレーヤーを呼び、環境を整えることでお客に『来て良かった』と感じてほしい」

 そうしていると、スーツ姿で酒を楽しんでいた50代の男性がギターを抱え、ステージに上がった。明弘さんは音響機材のつまみをいじり、「ギター(の音)ください」、「ボーカルマイク上げます」と真剣な表情で響きを整えていく。

 「ほんの小さな出来事に~♪」

 歌い出したのは名曲『サボテンの花』。いつの間にか1人で飲んでいたはずの白髪の男性もハーモニカで参加し、美声と見事なハーモニーを見せる。

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 店では週末に月2回ライブを開き、平日は誰でも飛び入り参加できる「オープンマイク」を実施する。入店料はなんと無料。「えぇ音楽を聴いて、気持ちよく飲んでもらいたい」。ミナエンの懐の深さを垣間見た。(伊田雄馬)