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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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人々が集い住みたくなる町 神戸・平野の魅力とは 2020/04/11

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古民家を改造した「スパイシーハウス」。湊山温泉は目と鼻の先=神戸市兵庫区

 平野(神戸市兵庫区)には、古くて大きい民家が多く残る。「シェアハウスとして活用しているところが4軒もあるよ」。小耳に挟んだ話を基に、訪ねたのが「スパイシーハウス」(同区)。築80年の木造古民家を改造した女性限定のシェアハウスで、取材時には3人が暮らしていた。人々が集まり、住みたくなる町の魅力を聞いてみた。(喜田美咲)

 スパイシーハウスのオープンは2018年。オーナーの井上磨子さん(36)が、昔ながらの生活を大切にしつつ、異文化交流ができる空間を作るには最適と、平野の地を選んだ。

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リビングから、バルコニーの先に広がる平野の町を眺めるマルジョレーヌさん=神戸市兵庫区

 屋号は、インド人である井上さんの夫にちなむ。「いろんなスパイスを組み合わせて作るインド料理のように、ここでの出会いが人生を豊かにするスパイスになれば」との思いを込めた。

 湊山温泉(湊山町)や祇園神社(上祇園町)へは徒歩1分。井上さん一家の部屋のほか、6畳が3部屋。1部屋は必ず、外国人に充てるようにしている。キッチンやリビング、浴室などは共同だ。

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オーナーの井上磨子さん=神戸市兵庫区

 入居者は、会社勤めの日本人や、海外からのインターンシップ(就業体験)生らさまざま。フランス出身のマルジョレーヌさん(29)は観光で来神した。「平野は便利なのに、都心の騒がしさがなく好き」と笑顔を浮かべる。

 リビングの向こうには、南に面したバルコニー。「ここから眺める夕日がお気に入り」と井上さん。休みの日には、入居者と一緒に食事をしたり、みそ造りを体験したりすることも。マルジョレーヌさんは「節分のときは、みんなで恵方巻きを作って食べたの」と思い出ができて満足げだ。

 祇園神社の夏祭りなど、平野ならではのイベントは入居者にも人気が高い。多文化共生の拠点づくりの夢は、実を結びつつあると、井上さんは感じる。

 「この地の魅力を広く伝えたいし、地元の人にも開かれた場所にしたい。ご近所さんに『おしょうゆ貸して』と言えるような関係ができればいいですね」