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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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有馬の奥地に6800万円の旅館風トイレ 多くの伝説残る地 2019/09/29

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 三輪駆動の軽車両「イージーランブル(ER)」に乗った有馬奥地巡りは続く。外周道路を左回りに進み、有馬ます池、鼓ケ滝に続いてやってきたのは、赤い鳥居が目印の「虫地獄」「鳥地獄」。うっそうと木々が茂る一帯に二つの石碑が立つ。有馬温泉観光協会によると、ここは昔、「炭酸地獄」「地獄谷」とも呼ばれ、くぼ地にたまった炭酸ガスで、虫や鳥が死んでしまったとされるのが由来という。

 地獄谷を後に東へ。六甲川に架かる橋の名前に目が止まった。「杖捨橋」。調べると、杖を突いて有馬を訪れた湯治客が、温泉の効能で足腰が丈夫になり、杖を捨てて帰ったという伝承から名付けられたとか。

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 橋を越え、瑞宝寺公園に向かう。1873年に廃寺となった瑞宝寺の跡地を1951年に市が公園に整備した。紅葉スポットとしても知られ、毎年11月には有馬大茶会が開かれる。この地を愛した豊臣秀吉が千利休と共に訪れ、茶会を催したことにちなみ、同協会が1950年に始めた。

 公園から始点・終点の観光案内所までは坂道を下る。途中、切手文化博物館(午前10時~午後4時、火曜休館)に立ち寄った。

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 岩手県盛岡市にあった木造家屋を移築し、2005年にオープン。建物の一部には約300年前の古材が使われている。切手の収蔵数約50万点は、日本最大規模を誇り、館内には郵便事業が始まった明治時代から現在までの約3千点の切手が展示されている。

 同館の長嶋和重学芸員(42)は「徒歩と車の利用は半々くらいです。でも歩いてくる人はみんな息を切らして来ます」と話す。

 太閤橋付近に「まるで旅館?」と思わせる建物が。総工費約6800万円をかけつくられた「太閤橋おもてなしトイレ」。入り口は自動ドアで、待ち合わせポイントにもなるよう時計も付いている。

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 何カ所か立ち寄りながらのERの旅。所要時間60分ほどで1周できた。元湯龍泉閣の當谷逸郎社長(46)は「利用者からも『便利だし、運転も楽しい』と好評を得ている」と話す。お値段は1台(4人乗り)、2時間3500円。

 温泉街中心部の徒歩散策だけでなく、「もう一足」とERで周辺スポットに出掛けてみるのもおつな楽しみ方だ。(西竹唯太朗)

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