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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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途切れぬSMAPファンの“聖地巡礼” 伝説の5人旅の宿「兵衛向陽閣」 2019/10/04

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 「♪有馬兵衛の向陽閣へ♪」。一度聞いたら耳から離れないインパクトあるCMだ。創業700年の歴史を誇る老舗旅館「兵衛向陽閣」(神戸市北区有馬町)。兵衛の名は有馬を愛した豊臣秀吉が付けたとされ、格式の高さをうかがわせる。ちなみに冒頭のCMを作曲したのはナニワのモーツァルトことキダ・タローさん。これまた大御所だ。そして昨今、向陽閣の名を全国にとどろかせる“伝説”が生まれた。「SMAP伝説」。メンバーの5人が宿泊した同旅館には、解散し、3年がたとうとする今でもファンが訪れるという。(川崎恵莉子)

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 SMAP伝説の始まりは、2013年4月8日に放送された民放テレビ番組。グループ結成25周年を記念して企画された旅行で、5人は大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)から、レンタカーで有馬温泉にやってきた。コンビニで購入したガイドマップを見て、稲垣吾郎さんが向陽閣に直接予約を入れ、宿泊することになった。

 当時、対応に当たった営業部長の岸本宏史さん(54)は「従業員のほとんどがSMAPが来ることを知らなかった」と明かす。驚く従業員や一般の宿泊客に丁寧に対応していたメンバーの姿が印象的だったという。「みなさんテレビで見る印象のまま。特に香取慎吾さんは気さくに話しかけてくれました」。

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 5人が宿泊した貴賓室「老松」や露天風呂には固定カメラが設置され、館内のゲームセンターで遊んだり、カラオケスナックで思い出の曲を歌ったりするなど、プライベート感あふれる様子が大きな反響を呼んだ。瞬間最高視聴率24・3%を記録し、「伝説の5人旅」としてファンたちの心に深く刻まれた。

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 放送後、老松の部屋や同じ会席料理を味わえる特別プランは即日完売。2カ月先まで満室状態が続いた。「部屋だけでも見せてほしい」という宿泊客も多く、カラオケスナックで接客していた女性従業員はファンから逆指名されるほどだったという。

 「グループ解散前後も再び予約が増えました」と岸本さん。ファンの“聖地巡礼”は途切れることなく、今も続いており、岸本さんは「最近もSMAPファンという団体客が来てくださった。国民的アイドルのすごさを感じます」と話した。