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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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とってもディープな水道筋商店街の「夜の顔」 2018/07/21

 水道筋商店街(神戸市灘区)の「夜の顔」は、味酒乱(ミシュラン)ツアーだけではない。うどん屋がライブハウスに変身したり、夜な夜な登山愛好家が集まる焼き鳥店があったり。「あ~」。水道筋の夜は奥深い。(末吉佳希)

◇月2回、味なライブ開催 うどんな也

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 「うどん な也」(灘区水道筋2)は月に2回、閉店後、うどんをすすりながらジャズやブルースを楽しめる「NA-Ya」に変身する。学生時代からバンド活動をするなど、大の音楽好きの経営者・永井和浩さん(54)が、「夜の商店街に活気を」との思いで約10年前に始めた。

 6月下旬、店をのぞくと、アフリカ・ジンバブエの伝統舞踊を発信するグループ「ジャナグル」の7人が民族ダンスや日本の童謡など全5曲を歌って踊っていた。公演後には、ジャナグルメンバーと観客が交流を深めるひとときも。

 母親(38)と参加した女児(4)=同区篠原南町6=は、ジャナグルの激しいステップや、力強い太鼓演奏に触発され、椅子に立ち上がっては両手を左右に振ったり、大きな声で「イエイ」と叫んだりするなど大興奮だった。な也TEL078・801・7801

◇登山愛好家の楽園 焼き鳥「チンタ」

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 登山愛好家が毎夜、焼き鳥バー「チンタ」(灘区水道筋2)に集まっては、山を知り尽くした店長殿本真一さん(50)との会話に花を咲かせる。アウトドアはもちろん、近所のうわさや「山ガール」(アウトドア趣向の女性)の恋愛相談などさまざま。ただし、仕事の愚痴は歓迎されない暗黙のルールがあるのだとか。

 全国各地の山に足を運んだり、ハワイでダイビングしたり、殿本さんのアウトドアにかける思いは計り知れない。店の壁や天井は、マラソンのゼッケンや、全国の山々が描かれた手拭いなどで覆い尽くされる。

 カウンターからドリンクを手渡す時には決まって「お疲れさん」という一言が添えられ、心温まる。1日数食限定の親鶏の網焼き「ニンジャチキン」は程よい歯ごたえと塩加減でお酒がすすむ絶品だ。

 常連客の男性(44)=東灘区=は「遊びに一生懸命な店長に会いたくて、ついつい足を運んでしまう。ここは新しい発見が見つかるすてきな遊び場」と話す。店を出たのは午後11時ごろ。「山、登ってみるか」。六甲山を見上げて家路についた。チンタTEL078・882・2050