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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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アクセル全開で新聞お届け 急坂と戦う本紙配達員 2018/08/09

記事

急坂をバイクで上り、夕刊を配達する武田さん=神戸市灘区篠原伯母野山町3

 神戸市灘区北西部がエリアの「六甲専売所」(灘区国玉通2)の配達は、急坂との戦いだ。配達歴23年。長峰、篠原伯母野山地区を担当する武田裕彦さん(46)の苦労は絶えない。

 朝刊は折り込み広告が厚いため、一度に配達先全ての朝刊を積むと、前かごが重すぎてバイクが坂を上らない。冬季は道路が凍結することも多く、バイク配達をあきらめ、徒歩に切り替えると、配り切るのに約3時間半もかかる。

 午後4時過ぎ、篠原伯母野山地区の坂の頂上で、夕刊配達中の武田さんを待ち構えた。遠くから「ブブブブ」と、今にも止まりそうな低いエンジン音が近づいてくる。アクセルは全開だ。

 武田さんのバックには、神戸の街並みと海が広がる。「配達は一番しんどいエリアやけど、その分景色は抜群」と川崎宏和所長(48)。配達を終え、坂を下る武田さんを見送りながら、心でつぶやいた。「うん、絵になる」。(真鍋 愛)