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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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鳥居前町は長寿店の宝庫-秘訣は? 半世紀続く店7割 2018/11/27

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 古くから大きな社寺仏閣の周辺には門前町が形成されてきた。神社の場合は「鳥居前町」と呼ばれることもある。神戸市の地下鉄長田駅前の赤鳥居から長田神社へ「Yの字」に延びる長田神社前商店街もその一つ。取材をして驚いたのは老舗の多さだ。同振興組合に加盟する48店舗中、約7割が創業50年以上、5店舗が百年を超える。“長寿経営”の秘訣って一体何?(真鍋 愛)

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 まず、最古参の和菓子店「ういろや」を訪ねた。1877(明治10)年創業。同商店街の前身・長田商店街が誕生(1920年ごろ)する43年も前からこの地で店を構え、今年で141年を迎える。

 看板商品はもちろん「ういろ」。白、抹茶の2種類あり、砂糖を熱湯で溶かし、米粉とくずを加えて蒸して作る。粒子の違う米粉を配合して独特の食感を出す製法は創業当初から変わらない。

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 「店を継ぐもんだと思って育ちましたから。なぜこんなに長く続くの? って言われても…」と5代目の多田進博さん(52)は首をかしげつつ、「参拝客のお土産や地元住民のおやつとして愛され続けてきたからかな」と口にする。最近ではハロウィーンやクリスマスの限定品もあるといい、「変わらない味を守りながら、若い顧客の獲得にも取り組む。挑戦は続ける」

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 ランドマーク・長田神社が放つ存在感も大きい。今年の正月三が日の初詣客は約70万人。室町時代から続く節分行事「追儺式」や昨今の御朱印帳ブームも相まって年間通じて安定した参拝客を集めている。

 商店街も顧客争奪へ仕掛けを怠らない。同神社の「おついたち参り」に合わせ、掘り出し市「ぽっぺん市」(毎月1~3日)を開催。「夏越しゆかた祭」の立ち上げや、お菓子・パン・総菜などを購入すれば割引カードがもらえるスタンプラリー「おやつはべつばら」を年1回開いている。

 創業66年の総菜店「おかずふぁくとりー」の村上季実子さん(65)は「持続可能な仕組みづくりで、参拝客を増やし、商店街の売り上げも伸ばす。神社と商店街は、相乗効果を生み出す両輪」と強調する。

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 同振興組合に昨年、新たに4店舗が加わった。その一つ鈴木一さん(58)が営む雑貨店「warme(ワーム)」では、デニム素材のソファや重い買い物袋を楽に運べるキャリーカートなどを取り扱う。「若者からお年寄りまで幅広い年齢層に対応できる店にしたかった」と鈴木さん。

 商店街のご近所さんで、常連さんだったといい、「商店街に育ててもらったから、恩返ししたい」と意気込む。

 客が老舗をつくるのか。客を育てるのが老舗なのか。ちなみに商店街には創業から5代目が1人、4代目が7人。3代目が15人もいる。脈々と受け継がれる人と店。その魅力を探求するまち歩きをさらに進めたい。次回は和菓子などスイーツでのまちおこしに迫る。