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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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神戸・長田にスイーツ銀座 神社前商店街、中高生にも人気 2018/11/28

記事

 平日の夕刻。下校途中の中高生らが列を作る。5人、6人…。多い時は10人を超える。店内から漂う鼻をくすぐる甘い香り。その正体は? 「餅屋大西」(神戸市長田区長田町1)で限定販売(秋~春)されている「フライまんじゅう」(税込み90円)だ。手のひらサイズのまんじゅうを約5分間油に泳がせると、沖縄の「サーターアンダギー」のように変化し、バニラエッセンスの香りが広がる。後付けのグラニュー糖の量はお好みで、「厚化粧」「薄化粧」「すっぴん」の3パターンから選ぶ。(真鍋 愛)

 せんべい、大福、ういろう、ケーキ…。長田神社へ続く長田神社前商店街(振興組合加盟48店舗)には、神社のお膝元とあって和洋8店もの菓子店がひしめく。うち6店は和菓子店だ。

 その一つ餅屋大西は、1937(昭和12)年にアイスキャンデー店として創業。81年たっても看板商品「大西のアイスキャンデー」(夏季限定)の人気は不動だ。フライまんじゅうは、揚げたてアツアツを安価な値段で食べられるとあって中高生らの人気を集める。

 店主の大西健一さん(57)は「毎日150~200個作るが、売り切れで肩を落として帰る生徒も少なくない」。週に3~4回立ち寄るという長田高校2年の生徒(16)は「部活帰りに友達と食べる。安いしおいしいから、つい来てしまう」と話す。

 創業95年の「ほうらく堂」(同区五番町8)も負けてはいない。看板商品「ほうらく饅頭」は、入学式や卒業式の祝い菓子として長年、神戸っ子に親しまれてきた。紅白1個ずつだった形態を一口サイズの複数入りにしたところ、注文が急増したという。

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 神社前にある特性で菓子店が多い同商店街。「競う」のではなく「共存」の取り組みに力を入れる。震災直後には、商店街5店の和洋菓子10品が1箱に詰まった「長田物語」を考案。同神社の「おついたち参り」などイベント時には、各店自慢の菓子がそろうブース「長田萬福茶屋」を出店するなど結束を固めてきた。

 同商店街の洋菓子店「パティスリー エンゼル」(同区長田町2)の増本広樹さん(57)は「どの菓子店も一緒に商店街を盛り上げる仲間。『長田神社前デパート』の一員」と力を込める。