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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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神戸・長田に独自のポイントカード 顧客の体質など登録 2018/11/29

記事

 「Tカード」「ポンタカード」「ワオンカード」…。全国の加盟店で貯め、使える共通ポイントカードは幾多もあるが、神戸市の長田神社周辺の商店街には、買い物客の「安全・安心・見守り」をしてくれるカードが存在する。その名は「萬福カード長田」。顧客のアレルギーや認知症の情報、緊急連絡先などが登録(任意)されており、店主らはカード情報で、アレルギーの有無を確認したり、買い物途中に顧客が体調を崩せば家族に連絡したりする。地元商店ならではのきめ細かなサービスで大手と一線を画す。(真鍋 愛)

 長田神社前商店街の総菜店。買い物客が萬福カードを差し出すと、店の端末には食品アレルギーの表示が。店主はその情報を見て、「お客さん、アレルギーあるんやね」と声を掛ける。

 「そうやねん。青魚あかんねん」と顧客。店主は該当の総菜がないか注意しながら袋に詰める。

 同商店街のほか、長田中央いちば、プレノ長田など神社周辺の加盟店で使用できる。

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 カード事業は、2001年に長田神社前商店街振興組合が始めた「タメ点カード」が出発点だ。100円で1ポイントが貯まり、現金として使用できるほか、購入金額の端数分を長田区内の小中学校PTAやボランティア団体に寄付できる仕組み。14年には、中小企業庁が地域貢献のモデル事業として評価し「がんばる商店街30選」に選ばれた。

 機能の充実を目指し、同組合はカード情報を管理する「グージーサービス有限責任事業組合」を設立、14年に「萬福カード長田」に切り替えた。

 端数ポイントの寄付機能はそのままに、買い物客のアレルギー情報▽耳や目の不自由さ▽認知症情報▽緊急連絡先-などをいずれも任意で登録できるようにした。

 また、高齢の利用者に代わって遠方の家族や介護者もカードを持つことができ、同事業の立ち上げに参加した難波克己さん(52)は「若い方も含め、家族ぐるみ、地域ぐるみでカードを活用してほしい」と話す。

 商店街のカードサービス運営を手掛ける「日本カード」(大阪市)によると、地域密着の利点を生かしたサービスを付与する商店街が増えているといい、衛星利用測位システム(GPS)などで高齢者や子どもの登下校の「見守り」に乗りだすところもあるという。