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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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長田のぼっかけ、煮汁の比率は各店「秘密」 2018/11/14

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 「ぼっかけ」、いわゆる「すじこん」を食べ歩くにつれ、自分でも作りたくなってきた。具材の牛すじとこんにゃくはともに下ゆでし、しょうゆ、みりん、砂糖で味付けしていく。ホームページや料理本に書いてある煮汁の比率は、1対1対0・5がスタンダード。しかし、本場・長田区では店によって微妙に味が違うように感じる。「黄金の比率」を教示してもらうべく、区内の飲食店を尋ねた。

 しかし、どの店も「グラム単位の詳しい配分は秘密」と口を濁す。一方で、「感覚でやっているから詳しい数字は分からん」という店も多い。お好み焼き店「さんぺい」(長田区久保町3)では、「ソースの味と混じらないように薄めに作っている」と話す。同「くにちゃん」(同区二葉町3)では、焼きうどんにすじこんを入れるため、少ししょうゆの割合を増やしているという。

 一方、うどん店「味沢」(同区長田町1)では、こんにゃくを使わないぼっかけが特徴。「うどん屋やだしのある麺類を出す店では牛すじのみのところがほとんど」と店主の沢田博さん(67)。ぼっかけの味がうどんに混じるよう、濃いめの配分にするという。

 味の違いは調味料の比率だけではなさそうだ。決め手は、各店オリジナルの「秘伝のだし」にあるようだ。「牛のアキレスを一緒に煮る」と話す店も。さすが本場。奥が深い。もっと、もっと食べ歩きを極めないと、黄金の比率にたどりつけそうにない。(西竹唯太朗)