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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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長田・丸山、坂と階段で健康お散歩会 歴史散策も 2018/12/24

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 神戸市長田区の丸山地区に住む80歳の女性から「お散歩会をしています」と長田マンスリー宛てに手紙が届いた。すり鉢状の地形に民家が何層にも並ぶ同地区。無数にある「坂道と階段」を活用し、防災と健康を目的にした散歩コースを考え、地元住民で歩いているという。自宅を訪問すると、小柄な女性が、玄関ドアからちょこっと顔を出し、手招きしてくれた。(石川 翠)

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 同地区内の花山町約300世帯でつくる花山自治会の副会長を務める折野須美さん(80)。高齢化率が高いことから、2001年「花山友愛グループ」を立ち上げ、高齢者の見守り活動などを始めたという。その活動内容を説明しながら折野さんは「(見守っている)私のほうが年上よ」とケラケラッと笑う。

 さて、本題のお散歩会。地元の「適寿リハビリテーション病院」が提案し、15年から始まった。医療関係者の付き添いで町内を歩く。上級コースは「心臓破りの坂」など急な坂道や階段も含まれる。月1回、30人ほどが参加する。同町の一部は土砂災害警戒区域になっており、折野さんは「散歩をしながら災害時の避難訓練になる」と話す。

 実は40年間小学校教諭を務めていたという折野さん。歴史の要素を入れると男性の参加者も増えるかもしれないと思い立ち、昔から集めていた地元に関する資料を引っ張り出したり、教諭仲間のアドバイスを得たりしながら、昨年、同区全体の「歴史マップ」を作った。

 今年5月、マップを基に、丸山遊園地跡や六甲山の形成につながった丸山衝上断層、平清盛の孫・平知章の墓がある明泉寺、地区外の長田神社方面への散歩を実行した。今後もお散歩会のメインイベントに位置付け、1年に1回のペースで実施する予定だ。

 「坂道のおかげで足腰強くなって病院とは無縁」とまたケラケラッと笑う折野さん。来年に向け別のコースを計画中といい、「みんなで元気に暮らせるよう散歩を続けます」と笑顔を見せた。