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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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長田のこなもん、道具を調査 コテ?テコ! 鉄板は6ミリ? 2018/12/07

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 JR新長田駅周辺のこなもん徹底調査。計32店舗を食べ歩いた結果、鉄板に薄く生地を伸ばし、具材を後から上にのせていく「のせ型」が主流で、大半の店舗で「ぼっかけ」というメニューがないことが分かった。調査の核心はここから。「鉄板6ミリルールって?」「お好み焼きを食べる時に使う『アレ』の名前」「味の決め手となるソース」について店主らに聞いた。(吉田みなみ)

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 10月。取材班の一人が長田でこんな話を耳にした。

 「お好み焼きは銭湯帰りのおやつ。銭湯の近くにお好み焼き店が多いやろ」

 さらに! 「厚さ6ミリの鉄板で食べるのが最高や」

 都市伝説のような話。真偽を確かめるべく調査を始めた。実際、銭湯帰りにお好み焼きを食べる人を何度か見かけた。銭湯近くに店が集中する点については、阪神・淡路大震災前、区内に約50軒あった銭湯が今では12軒と激減、同じくお好み焼き店も減少し、その特徴を顕著に示すデータを得ることができなかった。

 それでは鉄板の厚さは? 店主らがカウンターで使う鉄板は12~20ミリ程度が多く最大で約30ミリ。一方、テーブル席の鉄板はおおむね7~10ミリで、最も薄いもので約5ミリだった。大阪・千日前の道具屋筋で調理用器具を扱う「タケウチ」によると、10ミリ以上を鉄板、機械でプレスした後に型抜きして作るものをプレス鉄板といい、厚さは約6ミリ~9ミリ。

 同店の玉置征四郎営業部長(80)は「厚い鉄板は肉などの具材に火を通すのに、プレス鉄板は熱さで反ってしまうこともあり、保温に使うのが最適」と話す。

 カウンターの鉄板で店主らが調理し、プレス鉄板で保温しながらお客が食べるのが長田スタイル。同店販売員の渡辺純一さん(64)は「鉄板の厚さの違いで、お好み焼きの味が変わるとは思えないのだが…」とぽつり。

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 お好み焼きを焼いたり、切り分けたりするときに使う調理用具の呼び名を巡っては、さまざまな議論が交わされてきた。「統一見解を決めよう」と地元の飲食店などでつくる「食のまち神戸長田」推進委員会やKOBE鉄人プロジェクトなどが約15年前に打ち出したのが「コテ」だ。同駅前には高さ3・4メートルの巨大モニュメントがあり、コテをPRする。

 しかし、今回の調査で回答を得た29店舗すべてが「テコ」と呼んだ。「やっぱりこの辺りの店はテコ」と店主らは口をそろえる。

 ということで神戸新聞ではこの調理用具を「テコ」と認定した。

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 最後に味の決め手「ソース」について検証する。

 一番多かったのは、やはり六間道商店街にある「ばらソース」。他のソースとのブレンドを含めると13店舗に上った。ほかにタカラソース(東灘区)やドリームソース(明石市)、オリバーソース(中央区)などを使う店もあった。

 4種類のソースをブレンドする「ふじ」(長田区神楽町6)の店主藤井和子さん(69)に配分を尋ねると「ソースはそれぞれの店でこだわりのある部分。教えられへんわ」。

 食べ歩いていると、それぞれの店で味が微妙に違う。好みのソースを使う店を探し歩くのも面白い。