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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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ブランド野菜「こうべ旬菜」 鮮度“武器”に浸透 神戸 2019/11/20

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「こうべ旬菜」ブランドの菊菜を栽培しているビニールハウス。堆肥を使い、農薬も半減させている=神戸市西区

 スーパーで、直売所で、学校給食で、「こうべ旬菜」を目にすることが増えてきた。文字通り、神戸産の旬の野菜。詳しく説明すると、化学肥料と化学合成農薬の使用を通常の2分の1に抑え、堆肥による土づくりにもこだわった野菜だ。1998年にブランド化され、葉物野菜やスイートコーン、トマトなど計18品目が認定されている。「こうべ旬菜部会」の部会長を務める再本正樹さん(48)=神戸市西区=の農場を訪ねた。(杉山雅崇)

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収穫時期などについて話し合う農家の再本正樹さん(左から2人目)ら=神戸市西区

 農家の朝は早い。午前4時。再本さんは毎日、この時間に起床する。前日に用意したコンテナには、青々とした野菜が。今、旬を迎えている菊菜だ。競りが始まる5時10分までに市場へ運ばなくてはならない。「早起きにはもう慣れましたよ。規則正しい生活というやつです」と笑う。

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野菜の生育に使われる堆肥=神戸市西区

 市場から戻った後はすぐさま朝食を済ませ、8時には再び仕事に戻る。約6千平方メートルにも及ぶ畑の世話があるからだ。「少なくとも祖父の時代から。先祖代々の土地です」。

 トラクターで土を耕し、ほうれん草や水菜の種をまく。肥料は近くの牧場から譲り受けた牛ふんともみ殻を交ぜたもの。専用の機械で、均等にまいていく。

 1日に収穫する菊菜は、500~600束。「大切なのは鮮度」と再本さん。常に5~6度に保たれた冷蔵庫で保管する。全ての作業を終えて帰宅するころには、時計の針は午後8時を回っていた。

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 農地に適した平野部が多い西区では、古くから農業が盛んだ。2010年時点で、市内約1万5千人の農家のうち、約9千500人が同区。こうべ旬菜に携わる延べ計約400人も全員、同区に農地を持つ。

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 神戸、阪神、大阪と大消費地に近い都市近郊農業であることが最大の利点で、鮮度を“武器”にブランド力を高めてきた。

 一方で、肥料や種が年々高騰するなど、コストがかさむ傾向は続く。農家の努力で大量に野菜を生産・出荷することができても、流通先で保管されれば食卓に並ぶまでに時間が掛かり、「新鮮」という強みが薄れてしまうこともある。利益と品質のバランスは、農家の悩みどころだ。

 再本さんは、20年近くの活動で、「こうべ旬菜」のブランドが消費者の間にある程度定着したと感じている。輸送技術の発達で産地間競争も激しくなっているが、地産地消への思いは強い。

 「『神戸の野菜を神戸の人が食べる』。いいことじゃないですか。こだわりを持って育てた野菜を、自信を持って出荷しています」。再本さんの言葉に力が込もる。