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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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高品質パソコンを徹底追求 パナソニック神戸工場(上) 2019/11/30

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 全国のビジネスマンから圧倒的な支持を得ているモバイル用ノートパソコンの「レッツノート」。同様機種のカテゴリーで長年にわたり国内シェアの首位を独走している。このパソコンの全てを生産しているのが神戸市西区高塚台1にあるパナソニック神戸工場だ。「顧客の声をすぐに形にする」という信念のもと、軽量・頑丈・長持ちという高品質を保っている。その取り組みの一端を見せてもらった。

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 神戸工場は1990年6月、「パーソナルコンピュータ事業部ワープロ工場」として完工、翌91年にパソコンの生産を開始した。「Windows95」が登場して間もない96年、初代レッツノートが誕生。工場の1階ショールームにも初期モデルが展示されている。

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 「当時は技術革新が激しく、良いと思われるものを次々とパソコンに入れていきました。ただ、売れるモデルとそうでないモデルが出てきました」とソリューション工場企画課の森修一課長(46)。こうした現状に直面した同社は、大きくかじを切ることにした。

 「われわれはどこへ向かうのかと考えたとき、移動するビジネスマンに焦点を当てることにしたんです。これが節目となりました」

 軽くて持ち運びがしやすく、長時間の使用が可能-。レッツノートの明確な目標がこうして定まった。

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 ショールーム横の「体感ゾーン」では、高品質を支えるための取り組みが数多く紹介されている。ここは撮影が許可されない貴重な空間だ。

 例えば、どれだけ丈夫かを確かめるため、椅子にレッツノートが座布団のように置かれている。森課長に「座ってみてください」と促された。緊張しながらパソコンの上から座ってみたが、その後、何事もなかったかのように起動した。聞くと、重さ約100キロまで耐えられるという。

 この「100キロ」は、顧客から寄せられた「満員電車で壊れた」という声をもとに、社員が実際に調査して算出した数字という。ほかにも、高い場所からの落下試験を繰り返すなど丈夫な品質維持に余念はない。

 一方、この工場では「タフブック」と呼ばれる専門性の高いシリーズも生産。同シリーズは、水をかけたり重い金属球を表面の液晶に落としたりと、さらに厳しい環境下でのチェックが実施されている。

 工場内には「環境試験室」「落下試験室」と呼ばれる部屋があり、さまざまな角度から品質を点検している。モバイルパソコンに対する同社のこだわりを体感した後、次はいよいよ生産現場を案内してもらった。

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 国内外から注目を集める最先端の研究施設や、食品の加工製造工場など四つの工業団地を抱える西区。その中から六つの工場を訪れ、開発のエピソードや普段見ることのできない工場内の様子を紹介する。(安福直剛)