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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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高みへ人間と機械が“協働” パナソニック神戸工場(下) 2019/12/01

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ずらりと機械が並ぶ生産現場=神戸市西区高塚台1、パナソニック神戸工場

 モバイル用ノートパソコン「レッツノート」の生産を一手に行っているパナソニック神戸工場(神戸市西区高塚台1)。国内シェアの首位を走り続ける背景には、徹底した高品質の追求があることが分かったが、同社のこだわりはそれだけではない。実際の生産現場を見て話を聞くと、自社内で生産工程の全てをまかなう「メイド・イン・神戸」の体制や、顧客の声を大切にする社の姿勢がうかがえた。

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複雑な動作が可能な双腕ロボット=神戸市西区高塚台1、パナソニック神戸工場

 神戸工場は敷地面積が5万7千平方メートルあり、中央に「Panasonic」と書かれた3階建てのメイン工場が建つ。ソリューション工場企画課の森修一課長(46)の案内で2階を訪れると、無数の機械やロボットが目に入ってきた。奥の方では、作業に従事している人の姿も見える。工場の核となる生産現場だ。

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レッツノートの最新機種を手にする森敏浩工場次長=神戸市西区高塚台1、パナソニック神戸工場

 ここでは、パソコンの主要部分となる基板に電子部品を実装し、組み立てて完成させるまでの作業を、機械やロボットと人間が手分けして行っている。

 「24時間、非常に細かい作業を正確に繰り返すといったことは機械やロボットの方が得意です。一方で、顧客の要望に合わせた組み立てや検査は人間でないとできません」

 森課長はそう説明する。単純に「人件費削減」ということではない。機械と人間にはそれぞれ得意分野があり、互いの長所を活用し合うことで、大量の生産と高い品質が担保できるというわけだ。

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 神戸工場の最大の特徴と言ってもいいのが、生産から品質管理、カスタマーサポート、修理などを一手に行っている点だ。開発は国内だが生産は海外、サポートは遠くのコールセンター-といった流れが多い中、「自社一貫」にこだわる。

 「こちら(企業)が作って提供して終わりというのではなく、お客さまと一緒により良いものを求めていきたいのです」

 森敏浩工場次長(50)はそう話す。ロボットと人との“協働”で基板実装から完成までの全工程を工場内で完結させるほか、コールセンターも中に設置。年中無休で対応する工場での「ダイレクト修理」にも結び付けている。

 寄せられた声はフィードバックされ、次の製品にすぐに反映されるという。さらに、利用者の声を聞くため法人向けの意見交換会を定期的に催したり、子どもたちにパソコンづくりに挑戦してもらう「レッツノート工房」を企画したりして、顧客の声に耳を傾ける環境づくりを進めている。

 「お客さまのパートナーであり続けたい。われわれの求めるものに終わりはなく、ご意見を反映させながら常に高みを目指していきたい」。森次長が力を込めた。(安福直剛)