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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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子ども見守る“地域のお母さん” 神戸市西区の柳瀬眞智子さん(67) 2019/12/02

■神戸市青少年補導センターの民間指導員

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旗を手に児童らの登校を見守る柳瀬眞智子さん=神戸市西区北別府5

 午前7時半過ぎ。丁ノ山公園(同市西区北別府5)前の道路は通勤ラッシュで混み合う幹線道路の抜け道として、ひっきりなしに車が行き交う。その公園角の交差点に立ち、小中学生の登校を見守る。

 「おはよう」「気をつけてな」。旗を振り、車を止め、子どもたちに笑顔で声を掛ける。変わった様子は見逃さない。「どうしたん」「今日機嫌悪いね」と尋ね、相談に乗ったり、一緒に学校まで行ったりすることもある。

 2男2女を育て、孫10人に恵まれた。地域の見守りを始めたのは、伊川谷中学校のPTA役員をしたことがきっかけだった。その後、市青少年補導センターの民間指導員となり、21年間、校区内パトロールや虐待防止などの活動に力を入れてきた。

 毎朝、交差点に立つようになったのは、数年前、同公園の近くで園児が巻き込まれる事故があったからだ。「私も、地域の人たちもかねて『危ない』と思っていた。もう二度と同じような事故が起きないようにしたい」と決意し、病院に行く日以外は、交差点に立つ。

 多くの子どもたちに顔を知ってもらおうと、学校園の入学式や運動会などにも出席する。「何かあったときに、声を掛けやすくなると思って。スーパーで会っても話してくれるようになった」と笑う。同中生徒会役員で3年生の川本心音さん(14)は「私たち子どもの安全を守ってくれる“地域のお母さん”のような存在」と感謝する。

 「子どもの笑顔が元気のもと。1人でも多く、声を掛けたり、登下校を見守ったりしてくれる人を増やしたい。そのためにも、まずは自分が動かなきゃ」。(川村岳也)