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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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産業ロボショールームで最新技術アピール 川重・西神戸工場 2019/12/04

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自動車を塗装するためのロボット。大手自動車メーカーが導入し、世界中に車を送り出している=神戸市西区櫨谷町

 「ウィーン、ガシャン」「ウィーン、ガシャン」。黙々と、淡々と、そしてスピィーディーに、いくつもの鉄製の腕が、人の手のように動く。次々に送られてくる自動車部品を付けたり、車体に塗料を吹きつけたり…。

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ロボットショールームで展示されている自動車組み立てロボット。素早い動きが印象に残った=神戸市西区櫨谷町

 ここは川崎重工業西神戸工場(神戸市西区櫨谷町)の「西神戸ロボットショールーム」。自社製の産業用ロボット(産業ロボ)を広くPRしようと、2014年に開設された。

 同社単独のロボットショールームは、東京・お台場と西神戸の2カ所。16年には西神戸の展示スペースを約2倍の約1400平方メートルに拡大した。室内には2本の腕を持つ最新ロボット「デュアロ」など約70台が所狭しと並び、製造ラインが本物の工場さながらに再現されている。

 半世紀前、日本で初めて産業ロボの生産に乗り出した同社。今や世界の大手自動車メーカーや医療業界など幅広い分野で、兵庫発のロボットが活躍する。一般公開されていないショールームを見せてもらった。

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ロボットの操作を入力する装置。細かな動きを設定できる=神戸市西区櫨谷町

 第2神明道路と阪神高速北神戸線が合流する伊川谷インターチェンジ北西の台地に同工場はある。工場全体の敷地は約22万8千平方メートルと甲子園球場約6個分に相当する。湧き水が豊富で、工場内で使用される水のほとんどは地下水という。

 職員の案内でショールームに入ると、まず目に入るのは自動車の生産ラインに並ぶロボットだ。このエリアだけで計約30台。数カ所の“関節”を人間のように細かく上下させ、部品を正確無比に溶接して装着する光景は圧巻だ。

 医療製品の製造に関わるロボットも置かれている。同社は13年、検体検査機器・試薬メーカーのシスメックス(同市中央区)と合弁会社「メディカロイド」を設立し、医療用ロボットの製造・販売にも力を入れる。展示されているのは、強力な薬品への腐食耐性を備えたオールステンレス製のアームで、医療向けとしては業界唯一という。メディカロイドでは産業用を医療向けに応用した手術支援ロボットの研究開発も進む。

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神戸市西区の丘陵地帯にある広大な川崎重工西神戸工場=同市西区櫨谷町(川崎重工業提供)

 このほか、ロボットの開発年が新しくなるごとに細かい動きが可能になる過程や、年々小型化している制御装置も紹介。エンジニアたちの努力で、日々進歩するロボット技術を知ることができる。

 これまでに、兵庫県内外の計5460社がショールームを訪れ、見学をきっかけに、購入を決めた企業もあるという。担当者は「実際に動く様子を見ることができるので、ショールームはロボット技術に親しみやすい。今後も最新技術をアピールしていく」と話している。(杉山雅崇)