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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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多彩な体験で身近な自然を提供 神戸市立神出自然教育園 2019/12/12

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 神戸市西区神出町田井には、果樹園や水田、ビニールハウスなどが密集する約4万平方メートルの広大な農園がある。市立神出自然教育園だ。主に市内の幼稚園と小学校の課外学習先としておなじみの場所で、行ったことがある人も多いはず。多彩な農業体験などが用意され、都会育ちの神戸っ子たちに身近にある自然や土の香りを提供している。

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 教育園は、市立神戸西高校(現須磨翔風高校)園芸科の「神出農場」が前身。跡地を市教育委員会が引き継ぎ、1976年から体験型の教育施設として利用を始めた。年間利用者数は延べ約2万8千人(2018年)。そのほとんどが、市内の園児と児童だ。

 人気の秘密は、多岐にわたる体験学習メニュー。稲や大豆、サツマイモの植え付けや収穫など農業体験に加え、園内の池にいるザリガニ釣り、職員が育てているイチゴ・トマトなどの観察など。いずれも都市部では触れる機会のないものばかりだ。

 取材に訪れた日は、区内の小学生が豆腐づくりに挑戦していた。同園の活動をボランティアとして支える高齢者たちから教わりながら、細かくした大豆とにがりを煮込んで四角く固め、手作り豆腐を仕上げた。豆腐が大豆からできていることを知らない子どもも多く、興味深そうな目で調理に取り組んでいた。

 近年は、園児・児童だけでなく、住民の自然体験も受け入れている。中村玉樹園長は「教育園は都市部の住民が多い神戸にあって、自然を間近に感じられる貴重な場になっている。今後は、興味を持つ幅広い人に来園してほしい」と話している。(杉山雅崇)