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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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一輪、一鉢「買った人を笑顔に」 花壇苗の“元祖”神戸の花職人 2019/12/21

記事

 世に数多の職人はいるが、「花職人」と言えば-。神戸市西区伊川谷町の花卉農家だ。マリーゴールドやビオラなどの花壇苗栽培は、1963年に同町で始まり、70年の大阪万博への出荷を機に全国へ広がった。いわば花壇苗の“元祖”。また、トルコギキョウやストックなどの切り花栽培は、100年以上の歴史を持つ。

 年間を通じて温暖で晴天の多い気候、そして、砂質で水が切れやすい圃場。こうした好条件で作られる花は、国内の生産地の中でも特に高い評価を受ける。

 伊川谷花卉部会には、現在、34軒の農家が所属する。藤沢均部会長(63)は祖父の代から続く切り花農家で、「都市近郊というメリットを生かし、鮮度で勝負する」と胸を張る。

 一方、花壇苗は、街路や花時計、王子動物園など市内約700カ所の花壇を飾るほか、85年のグリーンエキスポや2000年のジャパンフローラなどの主要イベントを彩ってきた。

 藤村正彦副部会長(54)は「一輪、一鉢に思いを込め育てている」と力を込めつつも、「生産者の高齢化や後継者不足はこの業界でも深刻」と打ち明ける。

 久保臣史副部会長は「私たちが手掛けた花で、買った人が笑顔になる。その思いで毎日、花と向き合っている」と語る。(藤原 学)