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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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“兵庫五国の恵み”ふんだんに 神戸学院大生がおせち考案 2019/12/25

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おせちやマラソンレシピを考案した神戸学院大学栄養学部の学生たち=神戸市西区伊川谷町有瀬

 但馬のホタルイカや明石のタコ、淡路産タマネギの練り物に丹波の黒豆煮、神戸のローストビーフ-。鮮やかな三段重のおせちには“兵庫五国の恵み”がふんだんに詰まっている。その名も「五宴満福」。考案したのは神戸学院大学栄養学部(神戸市西区伊川谷町有瀬)の学生8人だ。産学連携に積極的な同大の中でも、同学部は企業とのレシピ開発に力を入れる。3年生の米光加奈さん(21)に活動を紹介してもらった。(喜田美咲)

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企業と共同開発した「五宴満福」(神戸学院大栄養学部提供)

 ■食文化の継承

 高校生の頃から理科系の分野に興味があったと話す米光さん。「食べることは好きだけど、バランスよく食べてスタイルもキープしたい」などの理由から栄養学部に入学。管理栄養士の資格取得を目指し、勉強を続けている。

 3年生の授業で「食育と食文化の継承」を学び、今回のおせちプロジェクトに参加した。「いろんな企業と関われる機会は学生の今しかないと思って」と話す。 

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ナビゲーターの米光加奈さん

 ■テーマは兵庫五国

 同学部が企業とのレシピ作りをスタートさせたのは2010年。これまで、JA兵庫六甲などが主催し、神戸ワイナリーで開催された「こうべ地域のたべもの祭り」(西区)に出店し、同区産の野菜を使った丼に挑戦したほか、12年にはJR西日本デイリーサービスネット(尼崎市)とお弁当やおにぎりを開発。翌13年から駅ナカのコンビニで売り出した。

 阪神百貨店(大阪市)と食品会社「まねき食品」(姫路市)とのおせち料理共同開発は、2年前から始まった。米光さんら8人のメンバーが参加する今年のチームが立ち上がったのは4月。テーマとして与えられたのは「兵庫五国」だった。

 ■チームワークが“隠し味”

 「そもそも五国って何?」。米光さんらはその意味から学ぶことに。「但馬、丹波、播磨、摂津、淡路の五つの国が兵庫県になり、それぞれの歴史や文化、特産品があることを初めて知った」と口にする。2社との会議を重ね、調理方法のほか、食材の配置や生菌数などの食品微生物検査まで、約4カ月かけて取り組んだ。

 五国の特色ある食材を取り入れることはもとより、若者の「おせち離れ」を防ごうと、ブラジル・アマゾンを原産とするヤシ科の植物「アサイー」を使った紫色のわらび餅や、神戸の異国文化をイメージしたチーズケーキも入れ、見た目のインパクトにもこだわった。米光さんは「学生一人一人の個性とチームワークの良さが一番の“隠し味”」と笑う。

 おせち以外にも、公募で選ばれた学生10人が、六甲バターとコラボした、ランナーの疲労回復メニュー「マラソンレシピブック」などの作成も手掛けた。山下勉学部長は「面白いと感じられることが学習意欲につながる。今後も地域や地元企業と学ぶ機会をつくっていきたい」と力を込めた。