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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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区役所移転や少子高齢化… 神戸・西神中央の将来は? 2019/12/31

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高層マンションや大型商業施設が並ぶ西神中央。周辺には田園地帯が広がる(グーグルアースより)

 人口流出にストップをかける有効策として、神戸市が打ち出したのは、郊外の拠点駅周辺に住宅や公共施設などを集約する「コンパクトシティー」構想だ。神戸市営地下鉄の西神中央駅も再整備エリアの一つとなっている。「西マンスリー 農工住学」最終回は、西神中央のまちがどう変わろうとしているのかをまとめてみた。(村上晃宏)

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西神中央に移転、新築される西区役所(イメージ図、神戸市提供)

 ■区役所移転や文化施設

 1982年に垂水区から分区して誕生した西区。西神ニュータウンの入居が始まったのもこの年だ。西区役所を西神中央に置く計画もあったが、開発が遅れ、現在の玉津町小山に建設された。区人口の半数近くが地下鉄沿線に居住しており、長年、アクセス面が課題だった。市は西神中央駅北東の商業地域(糀台5)に区役所を移転、2020年度内の完成を目指す。

 西神中央駅前の市有地(美賀多台1)には、3階建ての文化施設を整備。500席を備える文化・芸術ホールと新しい西図書館が入る。ホールと図書館をつなぐ交流モールも設ける。子育て世代を呼び込むため、24年度までに新たに700戸(約2千人)の住宅を供給する。これに併せプレンティ広場やパークアベニューなど周辺の動線整備も23年度ごろまでに完了する。

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文化・芸術ホール(イメージ図、神戸市提供)

 ■ある変化が…

 西神中央には、狩場台▽糀台▽竹の台▽美賀多台▽樫野台▽春日台▽高塚台-の7地区があり、約2万世帯約4万8千人が住む。

 例外なく少子高齢化は進んでいる。市内陸・臨海計画課によると、04年に11・5%だった高齢化率は19年には31・4%になり、9千人増加。一方、14歳以下は19年が約5300人と、04年に比べて約2600人減ったという。

 まち開きから37年が経過し、オールドタウン化も懸念されるが、狩場台では「ある変化」が起きていた。

 3~6年生が1クラスに落ち込んでいる狩場台小学校で、1、2年は2クラスになり、来春の新1年生も2クラスになる見込みだという。今月22日、商業施設「かりばプラザ」で行われた餅つき大会も大勢の子どもたちでにぎわった。NPO法人「コミュニティかりば」の安藤真佐子理事長(71)は「一戸建ての空き家が2戸の住宅にリフォームされて販売されている。値段も安くなり、若い人が入ってきやすくなったのでは」と推測する。

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ホールと図書館をつなぐ交流モール(イメージ図、神戸市提供)

 ■ビンテージタウンへ

 まちづくりに取り組む西神ニュータウン研究会の大海一雄会長(87)は「ビンテージタウンを目指すべき」と話す。昨今、西神中央を中心に活動するジャズグループの設立や周辺の農園と協力した子どもの農業学習など西神中央の特性を生かした活動が実施されている。生活の困り事をサポートしたり、ハンドメイド作品を持ち寄って販売したり、多世代が交わりやすい環境づくりも生まれている。

 大海会長は「若い人が入居する将来に備え、どんな世代も生きがいを持ち、住みやすい、成熟したまちにする必要がある」と意気込む。