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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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見えない部品で世界の建設現場支える 川重・西神戸工場 2019/12/05

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 川崎重工業が日本で初めて産業用ロボットの開発に乗り出してから半世紀。西神戸工場(神戸市西区櫨谷町)の「西神戸ロボットショールーム」には、これまで同社が手掛けた約70台のロボットが展示されている。

 自動車や医療製品の製造に関わるロボットに続いて案内されたのは、2015年に開発した双腕ロボット「duAro(デュアロ)」のエリアだ。

 小型かつ軽量で、1人分の作業スペースに設置できるのが特徴。アームが正面は高速で、左右のエリアはゆっくり動くので、隣で働く人の安全を確保できる。

 さらに、人間がロボットに触れた場合、瞬時に動きを停止。水平方向にアームが動くシンプルな水平多関節構造のため、部品の組み立てから弁当の箱詰めまで多種多様な用途に対応できる。

 ショールームに置かれているデュアロは、来場者の似顔絵を描くようにプログラミングされており、その場で撮った写真データをもとに、双腕に持ったボールペンを器用に使って、私の顔をせっせと再現していた。

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 ロボット技術を紹介してきたが、西神戸は国内最大規模の油圧製品の製造工場として知られる。

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 代表的な生産品は、オイルを機械の隅々に送り出す「油圧ポンプ」やオイルを送り出すための動力をつくる「油圧モータ」など。外部からは見えないため、〝知名度〟はないが、機械を動かすのには欠かせない、いわば縁の下の力持ち的存在。約1800人の従業員によってつくられた製品が世界中に輸出され、建設現場を支えている。

 「全ての部品を自社でまかなうメーカーさんの製品を除けば、世界中のショベルカーの中に川重の油圧製品が入っているんですよ」と同社営業戦略部の小西康夫部長(51)は胸を張る。

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 西神戸は、周辺住民との交流も盛んだ。工場に配属された新入社員は、近くにある田んぼで、住民と一緒に田植えをするのが慣例となっている。昨年11月に行われた工場開設50周年記念イベントは、地域住民にも開放され、多くの子どもたちが建設機械の見学などを楽しんだ。

 同社の宇根拓也・人事総務部長(54)は「今後も地域とのつながりを大切に、『世界の川重』の製品を生み出していきたい」と力を込める。(杉山雅崇)