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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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1分間に数百個の卵を処理 ケンコーマヨネーズ工場に潜入 2019/12/13

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 検索サイト「グーグル」で「マヨネーズ」「会社」と入力する。検索のトップに表示されたのが、キユーピーでも味の素でもなく、「ケンコーマヨネーズ」だ。調べてみると、東京・杉並区に本社を置く東証1部上場企業で、発祥は「神戸」とある。業務用の調味料製造メーカーとして、国内で高いシェアを誇っているという。学校給食に出てくる小袋のマヨネーズと聞けばピンとくる人がいるかもしれない。神戸市西区にある西神戸工場(同区高塚台7)を訪れた。

 同社は、1958年に創立し、灘区都通3に本店を構えた。66年に現在の社名に変更。西神戸工場ができたのは88年だ。

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 工場内を案内され、度肝を抜かれたのは、マヨネーズの主力素材として使われている卵の数だ。

 自動で卵を割る「割卵器」には、次から次に新鮮な卵が流れてきて割られていく。その数、1分間に数百個。まるで見た目がアヒルのようなカップ型の容器に割卵が移され、黄身と白身に分離されていく。

 「これだけの卵、どこから仕入れるんですか」

 尋ねてみると、同社広報課の神山柚香さんが「すべて国産卵を使っています。主に関西、中国・四国地方から届きます。採卵されてから2~3日の新鮮な卵なんです」と答えてくれた。

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 同社の今年3月期のデータを見てみると、売り上げの約55%はコンビニ業界と外食産業向け商品。

 「普段は目にすることはあまりないかもしれませんが、飲食店のお好み焼きのマヨネーズや大手コンビニのサンドイッチに入っている卵サラダなどで、知らず知らずのうちに商品を口にしていると思います」と神山さんは説明する。

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 「あっそうそう」と口にしながら「日本で最大手のハンバーガーチェーンでもうちのマヨネーズが使われているんです」と付け加えた。

     ◇

 もう一つ気になっていることを聞いてみた。

 「ケンコーマヨネーズって、かなりインパクトがある社名ですね」

 「お客さまに健康をお届けしたい。その意味もありますが、創業まもない頃に発売した業務用サラダ向け『ケンコーマヨネーズAS』がヒットし、その商品名を会社名にしたと言われています」

 現在、焼いても溶けないタイプや、リンゴ酢を利用したタイプなど、マヨネーズだけでもラインアップは30種類を超えるという。

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 同工場の江口勲工場長は「顧客ニーズを把握しながら、いい商品をつくり上げてきました。食を支える縁の下の力持ちとして、今後もおいしい製品を世に送り出していきます」と話す。(杉山雅崇)