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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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頂上からの絶景に息飲む 「須磨アルプス」登ってみた 2019/05/26

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 「まちを歩く」。これがマンスリーシリーズの“テーゼ”とするなら、須磨(神戸市)で真っ先にやることはただ一つ。そう。須磨アルプスの踏破だ。これまで体を張る取材は避けてきた。フルマラソンを走る同僚を見るたび、「私は絶対やらない」と決意していたのだが…。デスクに「六甲全山縦走の出発地点は?」と問われ「須磨です」と答える。「登ると須磨のことが分かるかもしれへんな」。さらに言葉をかぶせられ、「登ります」と、思いと裏腹の返事が口から飛び出す。「しまった」「でも腹をくくるしかない!」(津田和納)

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 穏やかに晴れ渡った5月中旬、山陽電鉄須磨浦公園駅に降り立った。新緑のまぶしさが目に飛び込む。

 鉢伏山▽旗振山▽鉄拐山▽栂尾山▽横尾山▽東山-の六つの山を歩き、神戸市営地下鉄板宿駅に到着する約8・3キロのルート。目標を約4時間とした。

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 ロープウエーの案内板を尻目に山へと歩を進める。坂道をしばらく歩くと「ちかみち」と書かれた看板。しかし、目の前には曲がりくねった長い階段が待ち受けていた。足元が早くもおぼつかない。

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 30分かけて鉢伏山山頂(標高246メートル)へ。最初は電車の音がうるさかったが、途中から聞こえるのは鳥のさえずりのみ。展望台からは播磨灘と大阪湾が一望でき、明石海峡大橋は手の届きそうな近さだ。タンカーが航跡を描いて行き交い、海面がきらきらと光る。

 旗振山へは木立の中を進む。名の通り、江戸時代には、山上から畳1枚ほどの旗を振り、大阪・堂島の米相場をリレー式で九州まで伝えていたという。山頂(同253メートル)は、かつて兵庫の旧五国の「摂津」と「播磨」の国境でもあった。松尾芭蕉が詠んだ俳句「蝸牛 角ふりわけよ 須磨明石」が刻まれた石碑もある。

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 続いてパノラマを楽しめる鉄拐山(同237メートル)へ。頂上からの絶景に思わず息を飲む。大阪方面は少しかすんでいるが、手前には須磨海水浴場が弧を描く。明石側には淡路島と明石海峡大橋が見える。

 芭蕉の無理難題に応え、カタツムリになった気持ちで両方の景色を写真に収めようとするが難しい。絶景をしっかり目に焼き付け、高倉台方面へ向かった。