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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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顔がない地蔵? 通学通勤の地域住民に愛され 2018/09/12

記事

 神戸市垂水区塩屋町で取材中、橋のそばで地蔵堂を見つけた。のぞくと、花や水が供えられている。ところが、地蔵の顔の部分がない。えっ、なぜ?

 祭っているのは、すぐ近くに住む80代の尾崎秋野さんだった。尾崎さんによると、1938年の阪神大水害で自宅前の塩屋谷川が氾濫。当時、土木業をしていた義父が、壊れた橋を直す際、地蔵を発見した。顔が欠けていても立派だと、祭り始めたという。現在は、通学や通勤中に拝む地域住民も多くいるそうだ。この橋では事故が起きていないという。

 顔がなくても、人々の行いが見えているのかな。話を聞かせてもらったお礼におさい銭をそっと置き、拝んでから立ち去った。(吉田みなみ)