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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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商店街じゃない商店街? 新多聞センター街とは 神戸・垂水 2018/09/13

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 新多聞団地(神戸市垂水区本多聞4)の一角に商店街らしき建物を見つけた。「251」「252」「260」。3棟ある2階建ての建物には番号が-。通路を挟んで洋服店やラーメン店などが並び、アーケードまである。「新多聞センター街」と書かれた看板も。「実質は商店街なんですが…」と同センター商店会の佐竹頼宜会長(66)。この数字、同団地の棟番号らしく、佐竹会長は「集合住宅の一つとしての扱いで、商店街の枠組みには入りません」と説明する。商店街だけど商店街じゃないって?(西竹唯太朗)

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 多聞地域最大規模の約2900戸(賃貸)の同団地を管理する都市再生機構(UR)を取材した。

 同センター街のオープンは、まち開きと同じ1974年。URの担当者は「開発当時、周辺に店舗はなく、住民の生活を支えるために設置されたのでは」と説明。「他の団地でも同じように商店の集まりができたが、今も残っているのはこの団地含めごくわずか」と続けた。

 現在、核テナントのコープ新多聞をはじめ、乾物店や美容院、パン屋など14店舗が営業を続ける。近年は約1キロ圏内に複数の大型ショッピングセンターやロードサイド店ができ、かつてのにぎわいが失われた。

 佐竹会長は「子どもらも独立して今ではすっかり人通りも減ってしまった」。1989年からブティック「ランラン」を経営する全田美紀子さんは「(オープン当時は)商品も子ども服がメインだったけど、子どもがいなくなったから最近は大人用が大半」とつぶやく。

 シャッターが降りた店舗も目立ち、人通りも最盛期の半分以下に。しかし、今も団地に住む高齢者にとって、買い物やおしゃべりの場所として重宝されている。女性(82)は「皆が集まって会話できる場になっているので毎日来ている。移動手段の少ない年寄りにとってはここがないと困る」。全田さんも「必要としている人がいる限り店を残していきたい」と力を込めた。