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M's KOBE

海と山に囲まれた港都・神戸。明治期の開港をきっかけに、映画やジャズ、ファッションなど西洋文化をいち早く取り入れ、モダンでハイカラな街として発展してきました。

神戸新聞では2018年7月から市内9区をひと月ずつ訪ね歩く「マンスリー特集」をスタート。これまで紙面掲載された記事を集めました。神戸らしさを象徴する「海(Marine)」「山(Mountain)」「音楽(Music)」「神戸牛(Meat)」「出会い(Meet)」、そして「マンスリー(Monthly)」の頭文字「M」をあしらった、その名も「M's KOBE」。

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91歳の現役歌手 妻の伴奏できょうも歌う 2018/09/09

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 2016年、「90歳の挑戦」と銘打った個人コンサートが神戸市垂水区のホテルで開かれた。主催者は、同区の「YKカップル」こと、陰山恭道さん(91)と妻の陽子さん(86)。恭道さんは陽子さんの伴奏で日々練習に励み、市民コンサートなどで今も歌声を披露し続けている。

 「長生きしたいなら歌いなさい」と語る恭道さんの人生は、常に歌と共にあった。就職した20歳から現在までに10以上の市民合唱団や文化教室に参加し、85歳の時には「摂津音楽祭リトルカメリアコンクール」の35歳以上の歌手部門で、最優秀賞にあたる金賞を受賞。曲のレパートリーは歌謡曲やシャンソン、オペラなど多岐にわたる。

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 恭道さんの活動を支えるのは、旧相愛女子短大(現相愛大)でピアノを専攻した陽子さんだ。コンサートやコンクールでは必ず陽子さんの伴奏で歌い、出演日が近づくと、毎晩3時間ほどみっちりと練習する。

 練習中は、曲にアレンジを加える恭道さんと、譜面通りに演奏したい陽子さんの意見が合わないことも。恭道さんは「けんかもするけど、一緒に練習をすることで夫婦の対話も生まれている」と笑う。

 恭道さんが「総仕上げ」として数え年90歳で開催した「90歳の挑戦 歌曲コンサート」では、陽子さんら家族や、所属する合唱団「コーラス・タルミ」の団員らも協力。恭道さんは300人の観客の前で、約2時間にわたるコンサートを成功させた。

 29日に東灘区である「第20回神戸浪漫コンサート」に向けて練習を続ける恭道さん。「歌詞を間違えないなど基本的なことはもちろんだが、朗々と会場いっぱいに声を響かせたい」と意気込む。(真鍋 愛)