関西初　コレクション９０点が一堂に

　神戸へ珠玉のクリスマスプレゼント－。広島の美術コレクターで大野石油店会長、大野輝夫さん（９１）の収集品を基にした特別展「至高の小磯良平　大野コレクションのすべて」が２４日、神戸市東灘区の市立小磯記念美術館で始まる。同コレクションをまとめて公開するのは関西初。２３日に関係者向けの内覧会があった。（堀井正純）

　大野さんは１枚の版画との出合いをきっかけに、１９７８年から約２０年がかりで小磯の油彩画や素描、版画３５９点を集めた。今回は、うち約９０点を出展。小磯らしい清楚な女性像など人物画が中心で、小磯が自らの様式を確立する３０年代後半から晩年の８０年代までの優品がそろう。

　とりわけ知り合いの少女をモデルにした「Ｄ嬢の像」や、京都の舞妓を描いた「化粧する舞妓」が印象深い。「女性の優美さや清らかさを感じさせる絵が多く、感動した」と会場を訪れた女性（６５）は話していた。

　また晩年に小磯が精力を傾けた迎賓館赤坂離宮（東京）の壁画のためのパステル画も９点展示。人物を切り貼りして画面構成を考えた痕跡があり、興味深い。

　来年３月２１日まで。１月１１日を除く月曜と、１２月２８日～１月４日、１月１２日休館。同館ＴＥＬ０７８・８５７・５８８０